偽物語/モーレツ宇宙海賊

偽物語・5話。カレンちゃんについてのいくつかの事情。正義に燃えるカレンさんは友人たちを騙して金を巻き上げている貝木のおっさんが実に気に喰わない。となりゃぶっ飛ばすに限るわい、ってんで敵陣に乗り込んだら言葉と妖術の双方でもってあっさり返り討ちにあいまして…というお話。ま、そういうメインストーリィの合間々々に、妹の服脱がしてカダラ拭ったり翼さんのちちもみ券で興奮したり、というアララギさんのえろえろ話が挿入されてるんですけどね。それはそれとして。


どうやらかなり焦点の座った「悪役」である貝木さん。今までは超自然の怪異とそれに翻弄される人間が対立者であったのだが、ここにきて人としての悪意が立ちはだかるのが違和感あってよろしい。ただカネのために悪を働き、お前よく女子供を狙えるな簡単さだって奴らは動きが鈍いからな、とまあ映画のトリガーハッピー野郎のような行動原理で動く…そうねえ、一週回った感じにひねくれた敵さんですな。まァ多分この作者のことだ、その先さらにもう一つ二つギミックがあったりすんでしょうけどね。それはそれとして。


そんな一筋縄ではいきそうもない貝木さんに対し、カレンさんは「自分の力が弱いからって強くなるまで目の前の悪を看過しろってのか!」とまあとても感情移入しやすいストレートな意思を持っているのがまた、上手い。未熟で危なっかしいけれど、応援したくなるようなツクリになっている。よいキタエリキャラやね。…あと、「世の中カネが全てではない、ほとんどだ」ってのはすごくそのまんまでエエ言葉だと思った。


モーレツ宇宙海賊・5話。敵を知り己を知れば百戦割と危うからずかもしれない。とりあえず己を知るにはちょいと早い女学生の皆さんだけど、その代わりに彼女たちには有り余る行動力と明るさと聡明さ、つまりまあ「正しい若さ」がある。警告ナシでビームビームしてくるような危ないおっさんどもには目潰しやっとけやっとけ! …ってことでそういうお話。何のこっちゃ。


相変わらず絵柄はモニタとにらめっこしてるだけという地味にも程があるアニメなんだけど…何つーかその、すげえワクワクすんですけどワシどうしましょう。純粋に電子的侵入行為のみの顔も言葉も判らない敵に対して、当意即妙と準備万端の双方から迎撃してゆくお嬢さんたちの流れるような会話劇。うん、見てるワシが彼女たちと同じく「デキる若者である」というバーチャル経験をしているような、そんなエンタテイメント。想定外のアクシデントもあれば「ひみつへいき」での逆転もある。うーん、かっこいいぞ。ちうかこの段階でここまでのワクワクをさせられて大丈夫なのか。この先はプロの大人の世界、てことはこれ以上の丁々発止があると期待していいのか。参ったなあ。


にしても、部長さんの返答通信が「バカめ」とはこりゃまたアナクロなことで。副部長が何か微妙な反応してたけど、ひょっとしてあの中にあって彼女だけ元ネタ知ってたのかしら…っちうか、この時代のこの世界にまで「元ネタ」の知識が生き残っているってのもスゲエな。案外、敵さんの方も判ってたりしてね。あと(これまた)地味ながら、下準備の積層の末に「戦闘、開始です!」でCMという流れもすごく美しかった。うんまァいいや、とにかく楽しかったっすよ。このまま地味丁寧なワクワクアニメであれ!