ラグランジェ/アクエリオン/ちはやふる/ラストエグザイル

輪廻のラグランジェ・4話。ムギナミさん本格登場回にして水着回、そして各所状況のセッティング回…なんだけど、ランさんがとこっとんダメ属性のヘッポコ娘ですよってのが最も重要だった回のような気がする。まどかを護るんだっつっといて溺れて保護対象とライバルに助けられるとか、ムギちゃんに対抗意識燃やしてウェイトレスしたらポカばっかとか、挙句の果てにテメエで転校してきて押しかけジャージ部。パッと見ィのデザインや声優演技、あるいは初登場回の雰囲気からもちょっと「神秘的なデキる人」かと思いきやこの体たらく…ってのは、なんつーかその、すごくイイ。ことさらコメディチックに演出してないのも情けないペーソスでてていいねえ。うん。


そのムギナミさんはまだ謎が多い人ではあるが、どうやらちょいと腹黒っぽいものの悪人ではないらしい。まァ最終的にはOPやEDのように三人仲良くなるんだろうけど、それでもランさんとはずっといじりいじられコンビであったらおもろいな。つーか、見た目も言動行動もステキにあざっといのが眼福であってそれだけでよし。ランさんのダメ属性もエエけどね。


それと司令やよなあ。同世代の女性二人とまどか相手に完璧にヘコまされてほっぺたツネられるってあんた、それで基地司令なんですかいな。ものすごく感情移入してしまったよ苦労人おっさん。周囲にボケ要員があふれる中、本当に貴重なツッコミキャラとしてゼヒとも頑張ってって欲しいと思う。胃を壊さないようにね。…うーん、「お話を動かす原動力として」のキャラクタ描写がそれぞれ上手いなあ。物語のコマとして要請されるテンプレ性格っぽくない、生き生きとした雰囲気がとてもよし。あと、昨日の戦闘跡を復興してる絵が挿入されるのも生活感あってよかったな。自販機引き上げてるとか、リアルでねえ。


アクエリオンEVOL・15話。恋愛禁止のお達しに動揺する学生たちであるが、それ前提の上でデートコースに強制徴用されるっちう酷な授業の開催である。おまけに腕には興奮したら電撃発生する輪っか付き、こらもう蛇の生殺しに近い状態。なんでこんな若きリビドーを験すようなことを…つったら、どうもアクエリオンに乗ってるときに過度な恋愛感情持つと暴走しちゃうらしい。寸止め興奮なら強力なので、その修練を…ってもうその段階で危なっかしいなあ。まァ不動司令のこっちゃし、それを越えたところに真の愛がある! とか言いそうな気もしますけどね。


デート授業でそれぞれの学生さんの点描を行うシーケンスは、どんな人が居るのか理解するのにとても宜しかった。とりあえずまめぐのサザンカさんは腐っぽいお人なのと、アンディさんは堅物メガネとのちのちエエ関係になりそうなのは承知した。…あのぬいぐるみは謎だが、てェかこの世界は猫の概念が広大すぎるぞ。アレも猫なのかよ。

過去大きな犠牲を出した暴走事件。その唯一の生き残りがダンテスさんであり、その際に両腕を失っているとのこと。問題は何故彼だけが残されたかっちうこっちゃよね。ラブラブだった女性隊員さんはともかく、何故もう一人の男(?)の相方もいずこへかと連れ去られ、ダンテスさんだけが残ったのか。案外、女性隊員さんはその男性隊員の方に心を開いてたのではあるまいか。男の方に一切描写がないのがアヤシイよね。


ちはやふる・4話。新さんは再会を約束して去って行き、そして時制は現在…高校時代の千早さんの姿に移る。年齢相応にちょいと気だるくチャラけ気味になっている太一さんに対し、千早さんの方は全く進歩していないそのまんまのかるた娘である。(何人か居るのであろう)ガールフレンドさんとイチャついてる太一さんにイライラしている千早さんであるが、その理由ってのが嫉妬とかじゃなくて「何色気づいてやがんだコンチクショウ」なんだもんね。いや、深層心理ではどう思ってるか判らんが…って、その後のかるたへの行動を見るだにこれはマジでそのまんまやな。太一さんも報われぬなあ。


後半は「かるた部」創設をかけてのAクラス昇級試合の話。「ちはやふる」の札を巡る、意地の張り合いの駆け引きが実に息詰まる迫力であってよろしまんな。この先、これ以上に常人離れした試合がポコポコ出てくるのだろうかね。スゲエね。試合開始直前までばたんばたんと畳を叩く音がしているとか、ワシら一般人には判らんなりに「臨場感あるなあ」と思わせる雰囲気作りが上手い。


そして勝利、晴れてAクラスの千早さんはその勢いで新さんに連絡するのだが、なにやら冷たい態度で拒否される、と。ははあ、あの名人お爺ちゃんのご病気がらみのことかしらね。さて、千早さんは突っかけてってどうにかするのかしらん。…あと何だ、千早さんがゴディバばくばく喰ってるシーン見てワシも「ああああ勿体ねえ」って声出たよ。あれ確か一個二三百円くらいするよね?


ラストエグザイル-銀翼のファム-・15話。エグザイルまで引っ張り出してきての本格的侵略戦争の継続。連邦の…いや、総統ルスキニアの大鉈には敵は当然味方内部にも不協和音が出始める。将軍ヴァサントがその最右翼であり、彼女はグラキエスとの連携とアウグスタ・サーラを御輿に担いでの叛乱を引き起こす。…がしかしねえ。いまだそれらに対する具体的なあれこれは描かれていないものの、ルスキニアさんはその辺既に予測済みなんじゃねーかなという雰囲気はプンプンしますわよね。ルスキニアさんの本当の目的が何なのか、が肝だろうなあ。…そこに正義は在るのか。あるいは正義なんて必要なのか。さて。


そんな巨きな流れに対して、未だに情けなくなるほど小さな力しか持たないファム御一行。それでもミリアは「ファムならなんとかしてくれるのでは」という期待を持っているが、その為にはファムさんを適切な方向へ蹴り上げたらなあきまへんよ。あの子、考えるの苦手なんやから。モヤモヤしたらヴァンシップで発散するしかできひん子なんやから。…それ見てる人たちに、ぱあっと明るい気持ち振りまくことしかできひん子なんやからね。


にしても「行き詰ったらラストで体動かしてシメ」ってのはこの作品でよく使われるモチーフではあるな。今回も理想と現実との厳然たる差異の表象として使われているラストのヴァンシップ競争ですが、エエ背景とエエ音楽でなんとなくオチた気になってしまうのがなんかズルい。いやマジで、連邦の大艦隊相手にファムと空族でどう対処すんのか見当つかんもんね。ミリア様の指導者としての力量が問われている…のか?