・ラストエグザイル/ラグランジェ/シンフォギア/ちはやふる/未来日記/夏目友人帳

ラストエグザイル-銀翼のファム-・12話。ファムさんはグラキエス領内を護送される。その気絶中に見た邯鄲の夢は、10年前のグランレースにてのあの光景。世界と歴史が大きく動く切欠となったあの光景。…ってことで、1話まるまるの回想(幻想)シーンを使っての説明話、である。


歴史上大きな役目を果たすべきであった連邦元首・ファラフナーズの暗殺でシメられる物語構成自体もドラマチックでよろしいし、グランレースをお題としたオールスターキャスト(過去時制)のドラマとしても面白かった。どのキャラにもそれなりに描写を盛り込み、それぞれに紡いできた人生の糸がこのレース会場にて一度交錯している、っちう物語性もよろし。何よりキャラ各々のスナップショット的エピソードがなかなかに自然かつ新鮮、クライマックスの暗殺シーンとの落差も効果的で感心したり。…あ、ちょっと前のレース回の小山力也の人も出てる(声は無いが)。細かいな。


華やかなレースが暗殺襲撃で終わるということでも判るとおり、この世界の民族問題は根深いものがあるようだ。大まかにはファラフナーズ様の受難という流れなのだが、襲撃側の人々、あるいやその他の勢力たちにも一通りならぬ事情と悲劇があることが窺えるように作ってある。それら問題の見果てぬ解決の象徴として置かれているのがグランレースやのね。幼いミリアさんはレース、おませなリリアーナ様は政治問題。判りやすい興味指向の差異を統合し包括するファラフナーズ様のお言葉がよろしい。


…こらどうあってもグランレース再興がシリーズのシメにならねばならんな。ファムもジゼもそのまま進め、頑張るがよい。うん、なんかおもろかったわ。


●新番組・輪廻のラグランジェ。IGでXEBECのロボアニメ、メインロボデザインは日産のインダストリアルデザイナーで…という前情報。そして総監督がこちらでもお目見えの佐藤竜雄。さてさて、と思ってたらいきなり主人公がぬぎぬぎしてスク水披露、その後も折にふれてぱんつだのよこちちだのを見せ付けるサーヴィスである。であるのだが…それ以外の王道的物語要素もカッチリしてるので、それらサーヴィスのシツコさ脂っこさはあんまり感じなかったな。


そ、全体的にかなりさわやかさんなのね。まず画面、舞台が海際ってこともあって青と白メインの色調と多少フラット気味なキャラデザイン、これで雰囲気の重さが少ない。んで主人公のまどかさんのキャラ、活発でスポーツ万能で竹割ったようなストレートな性格、と陰にこもったところが全く無い。このキャラでパッパと話を進めてくれるので遅滞が無いんすな。なんとなくスタドラのタクトさんを思い出す。


そして全編のそこここに感じられるヌケヌケとしたコメディセンスがよろしい。確かな演出技量と爽快さによってクライマックスバトルを盛り上げるだけ盛り上げといて、そのシメが「巨大ロボによるバックドロップ→3カウントフォールでマル!」という…そらみんな唖然とするわな! あと宇宙人と聞いて喉詰めたモノマネやって「それ!」っちう一連のシーンは、ファイアボールドロッセルお嬢様っぽかった。ツッコミ無しのボケ重ねもいいよね!


一つ興味深いなと思ったのはCGの扱い。主役の変形メカは飛行モードの時はCG描画だが、人型に変形した時点で手描きとなる。他のメカはともかくロボは手描き、ってのはサンライズ…昨今のガンダムの方針が近いだろうか。多分、ロボモードはメカや小道具ではなく一種の「キャラクタ」的な扱いだっちうことやろな。しかしあの、曲線が多くて微妙なラインのデザインを手描きでってのは大変だと思うよ。まァお頑張りなさい。


てことで…ふむ、ツカミは充分、面白そうであり視聴継続してみよう。


●新番組・戦姫絶唱シンフォギア。お嬢さんが歌って踊って敵を殲滅するアニメ、とそのくらいの認識で視聴開始。まァ実際その通りの作品ではあったのだが、一般的なテンプレからちょっと外した要素が結構あり、そしてその部分が興味深い。というか半歩ほどネタアニメ・バカアニメの方向に踏み込んでるようにも感じられる。どの程度まで意図的なのかはもちょっと図りきれないが…うん、とりあえず第一話のツカミとしては面白かったな。


上記の「ちょっと外した」とこ、言い換えれば心に引っかかったところを挙げてみるにですね、まずキャラデザイン。流行先端バリバリなお嬢さんアニメのそれに比べるとちょっとキッズアニメテイストの雰囲気がある。これが吉凶どうでるかはまだ判らんが、今後ギャップを狙う展開でも面白いと思う。敵キャラが何となくムカシの円谷特撮的なのも独特ね。


んでメイン要素であろうお歌関連だけど、気合入れて振り付け作画してんのもともかく、思いのほか客席からのSEがデカいのが独特。高山みなみ水樹奈々というガチ布陣の歌声が聞きにくいほどに調整してるのは、それだけライブ感を重視しているからだろうか。あと「歌とバトル」ってのは一応アリネタの類だろうけど、ここまでガッチリ「バトルアクションしながら歌唱する」を徹底してるのはあまり類例が無いかもしれない。


そして主人公の悠木碧さんですが、「表面的には一般的な女の子が主人公的能力に目覚める」っちう王道ノリで判りやすい…と思いきや、第1話終了時にもんのすげえ殺意の波動っぽいカオする、というヒキがおもしれェな。暴走系主人公? あるいは能力者の宿命? 


とまあ、そんな感じ。基本的な演出方針としては勢いとノリで細かい部分をすっ飛ばす傾向にある、ってのは個人的に悪くない。そのノリが自分と合わなければ辛いだろうけど、今んとこそれほどでもないしね。てことで面白く視聴したんだけれど…うーん、上記の目を引いた要素以外の、基本的なジャンル部分はワシとしてあまり惹かれるものは多くないんだよな。なので初見のインパクトが薄れて以降、視聴意欲が継続するかは未知数。無論これはワシ側の問題でありこのアニメのデキとは関係ないところ。さて…うーん、どうしようかなあ。うーん。


●新番組・ちはやふる。既に関東とかでは放映済みの作品がこっちにやってきた、っちうとこやね。お話は競技かるたの世界にドはまりこんでいるお嬢さんとそのお仲間たちについて、らしい。元が少女マンガだけあって、そういうフォーマット…つまり、主人公の少女は美人だがちと残念な人、んでもって幼馴染に美形だが主人公が気になっている男の子を配す…ってのをまずキッチリと押さえている。そして主人公千早さんの「無駄美人」というキャラ、カタチだけでなくホンマに「あ、残念だわ」と思わせるレベルなのがおもろいな。何かリアルな残念さだわ。


さて。ひょんなことからクラスで浮き気味の地味転校生と関わり、かるたを知る千早さんという辺りまでで第1話。それまでとっつきにくい男の子でしかなかった転校生の新くんが、百人一首の話題で俄然活気付いて実演してみせるとこの盛り上げがよろしい。客観的に見りゃ「ワシのようなオタが興味ない相手に要らん知識話してる」っちうのとそう変わらない状況のはずだが(そうか?)、この一連のシーンでグイッと視聴者の興味をホールドするのである。千早さんのぞくぞくがコチラにも感じられるようだ。うーん、上手い。


そういう演出も含め、全編に渡って雰囲気よく動く「本気のマッドハウス」をバックアップにしているのは強いね。うむ、これは面白そうだ。視聴続けてみたい。…問題はワシ、百人一首については筒井康隆の「裏小倉」がまず浮かんでしまうってことだな。ちはやぶる かみゆいいかず かったかみ からくれないに みなそめるとは。…ほらあまだガッツリ覚えてる! ダメだワシ!


未来日記・13話。ユッキーに対するユノさんの過剰な庇護を懸念する西島刑事とアキセさんは、こないだの百合コンビ+オマケを誘ってユノさん探索に乗り出す。寂れた温泉街にて行われるリッアール鬼ごっこはしかし、ユノさんの掌上にて踊らされる面々という図式になりつつある。そしてお上の事情も一方ならず、どうもムルムルさんの腹にも何やら一物あるようで…っちうね。


それまでは超越的な先読み能力でバトルを制圧してきたアキセさんにしては、今回の行動パターンはちょいと後手に回ってる感覚ではある。それに伴い、ラストのモニタ前に浮かび上がるユノさんのラスボス的雰囲気のスゲエことよ。…もーちょっとお互いの最終勝利条件がハッキリしないのも気になるが、この状況でまた別の日記所有者が乱入してきたりするんだろうか。さてね。


●新番組・夏目友人帳 肆。最近としては、ここまで息の長い支持を受けたアニメってのも割と珍しいな。てことで4シーズン目の開始である。初回ってことで各キャラの紹介と物語背景の説明を簡素に済ませて、さて典型的なお話でご一席…かと思いきや第1話からいきなり前後編で的場さんとことのゴタゴタ話なのか。ふうむ、てことは今シーズンはVS的場さんという支持構造をメインに構成される可能性もあるな。ワシとしては何とも言いがたい奇譚を各話完結で、っちうのが好みだけど、まァそれはそれで。


とまれ、作品の雰囲気やクォリティは従前のまま、ここまでずっと付き合ってきた人間にとっては何も問題無く入り込める。相変わらずニャンコ先生のもちもちぶりも素晴らしいし、今回もゆっくり楽しませてもらうとしましょう。


…というお話のメイン構造とは別に、この第1話の「異様な広大さを持つお家の中で迷う」というメインプロットがホンマ、ワシのフェチ心にガッチリフィットでさあ。以前も何度か日記で書いたけど、好きやねんこういう謎屋敷。もうこれだけでワシ、満足この上おまへんわ。オッケー。承認。以上!


●てことでええと…込むなあこの曜日近辺! どれか切るにしても、それでも多い…。どないしょ。