未来日記/UN-GO/ギルティクラウン

未来日記・11話。クルス刑事はここに至って本格的に主人公組からの離反行動を開始する。日記所有者の中では(胡散臭いところはありつつも)かなり常識的なキャラであった刑事さんであるが、さて何が彼をしてこの裏切り行動へと向かわせるのか。そのギャップを橋渡ししつつ、割とぞんざいな理由で状況をひっくり返しちゃうジョーカー役がみねねさん、である。ちうかホンマはアンタ、マジでコスプレ好きやろ! アイパッチ看護婦さん姿って何それ、エル・ドライバー? ダリル・ハンナなの!?


さて、クルスさんの裏切りの根っこは難病の息子にある。つまり裏切り云々以前にこの人の行動は元から息子の救済ありきだった、っちうこっちゃね。ユノさんから受けた傷によって顔が包帯でグルグル巻きになってしまうクルスさん。それは自らの心の動きをマスクして非情の者とならんとする、彼の意図を象徴したものだろうか。


…とまあ、結構シリアスな流れの合間々々にですね、ジーパン刑事もどきに「なんじゃァこりゃァ」と叫ばせたり主人公含めた三人でドリフ的コントやらせたり、そういう「空気を読まない」ギャグテイスツを突っ込んでくるのがこの作品のカラーだよなあ。突き抜けたバカチンさは薄いが、しょーもないヘッポコ感は悪くないっすよ。これから後半に向けてこういうヘボ感は減ってゆきそうなのが残念だけどね。うん。


UN-GO・10話。敗戦探偵国会証言、あと海勝会長の爆死…のような怪しい何か。新十郎探偵は相変わらず、何か視野を制限されたような余裕の無さをかもし出している。それは映画でやってた(ワシは知らん)何かの事件に原因があるのだろうか。とまれ、別天王ちゃんと彼女を使役している者が明らかにならねばこの迷宮は出られまい。当然死んでなんかいないであろう、海勝会長の存在がジョーカーとなるか…しら?


んでもってさらに怪しいのは國府田声の議員さんですよな。前回まででもそこそこ疑わしいとこはあったのだが、今回かなりガッチリと胡散臭さ…というか、結構な誘導尋問テクニックを披露しはじめてて妙に目立ってらっしゃる。今までのパターンからすると「犯人は女性」っちう確率は結構高めではあるが…さて。


あと今回は因果さんがほぼ別天王サイドに行きっぱなしな状態なので、カザモリさんの助手的活動が大幅増加しててあざとかった。流石ネット上のあらゆるエロネタ…もとい情報をわが身のものとできるだけのことはある。音声再生機能が単なるモノマネの上に、巻き戻し音出して「サーヴィスです」って…あざといな!


ギルティクラウン・10話。前回の事件、過去の記憶が複合してシュウさんはどんどんとヘタレてゆく。作戦中に逃亡し引きこもり自嘲し、イノリさんを思わず「バケモノ」呼ばわりし、挙句の果てに幼馴染に性的にすがるに至る…というね。物語開始時より「ダメ男」キャラであったのは確かだが、いやあそれにしても…なかなか見事にダメですなあ。


意図的だろう、シュウさんの精神退行とダメ化は徹頭徹尾「自分」のみである。彼は他者がどうなのか、あるいは自己と他者がどう関わるのかについてほとんど興味が無い(唯一ガイ兄さんについては言及があるが、それとて「自分」もあんな風にかっこよくなりたかった、という文脈である)。よって、作戦時職務放棄に関しても「自分の行動で誰か死んでいたかもしれなかった」という心痛描写はないし、イノリさんに思わず暴言を吐いて別れたときも「これでいいんだ」と欺瞞による自己肯定しか行わない。敵であるセガイさんやダンさんなど対置されるキャラが、躊躇せず自分を保っている方面にキッチリ立っているので、余計に彼の「世界の狭量さ」が際立っている。


…うん、これはもう、相ッ当にイラつくわェ。この辺制作側の演出意図を超えてイラッときちゃいましたよ。上手いこと乗せられちゃったってとこ…なんだろうか。あと、幼馴染のハレさんの「都合のいい女」っぷりがかなり極まっててなんかいろいろとアレでした。ここぞってとこで突き放して相手を改心させて後押しするとか、そういうとこまで、ね。