青の祓魔師

青の祓魔師・24話。サタンは復活しここにカクリヨとウツシヨの境界はその鍵を開く。そしてサタンをその裡に宿すはユキオさんである。てことで、間にサタンとパンデモニウムを挟んでの兄弟対峙の構図が完成する。サタンが彼らのお父んであることを考え合わせるに、こういう長編ドラマ王道たる「世界を巻き込んだ家族喧嘩」っちうワケですなあ。


上記のとおり、この世界に悪魔の入り口が開いてしまうという「この世の終わり」な状況なんだけど、タメ不足か演出のアッサリ具合か、やはりどうもそんな大ごとのような感じがしない。アニメのハガレンって個人的にとても高い評価を与えている作品じゃないが、この辺りは流石にアチラの方がシッカリした描写だったな。多分そういう大域的な事件を描写するためのリソースを、もっと主役近辺の方に注ごうという判断によるものなのだろうけれど。


表面的には非常に単純な「悪」なのだが、その根っこの部分はリンたちの母親と築いた理想に基づくものである、っちう何かチグハグなサタンの行動。出自の異なるものが共生し触れ合って生きるという思想は立派なものだが、それをヤるために下世話な台詞とともに鬱陶しいヤツを皆殺し、ってのはこれまた…悪魔というよりはただの下っ端ヤクザ屋さんのような。前も言うたけど、そもそも悪魔の頭領サタンたる者がこういうことを思い立つものかねえ。息子のメフィストさんたちも特に違和感無く傍観してるみたいなんだけどさ。


大仰な状況の割にいささか小規模なシチュエーションではあるものの、語りかけてくるリンさんに応えつつも銃でリンさんを撃ってしまうユキオさん、というイヴェントはかなりショッキングでよろし。スパッと割り切れない彼の心の奥底が見え隠れしているようでしたな。