ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

●録画しといたヤツを今鑑賞終了。いやー、TV版経験者も楽しめる上手い換骨奪胎ぶりでよろしいな。特に前半のキャラ造形、どいつもこいつも実にケンゼンな精神になってる。あの重ッ苦しいエレベータ内での綾波とアスカのシーンを、絵面そのまんまであそこまで前向きな表現にしちゃうってのが面白いなあ。その辺がちゃんとエンタテイメントしてればしてるほど、これから発生するであろう大崩壊やら大悲劇やらの落差が生まれるってのはそうなんですけどね。でも、そういう「上げて落とす」ためだけのギミックを越えたケンゼンさが感じられるような気はするな。


物語はとてもテンポが良く、見ていて飽きない。しかしあまりキツキツした感じを受けないのは、それだけ描くべきことを絞りに絞ってるっちうこっちゃろね。思い返してみてもほとんど余計な要素が無い。戦闘戦闘学園ドラマ、一拍置いてまた戦闘、っちうある種贅沢な作りである。特にラストバトルの盛り上げは流石なもので、ゼルエル(じゃないんだっけ映画では)戦の最終回っぽさはもう大概であった。そしてカヲルさんのあぶらげかっさらいぶりも大概であった。おいしいなあ。


さて。際立つのは新キャラ・マキナミさんのものすげえ異物感ですよね。これはワシが旧作経験組であり、アスカやカジさんを見て「おお懐かしい」とか思ってる補正もあるのかもしれないけれど…とにかく、この時点でマキナミさんがどういう人か、ほとんど判んない。異様に強いとかヘンな裏コード知ってるとかそういう表面的なことじゃなく、何かこう…物語の別レヴェルから意図的にグイと挿入された楔、みたいな感じがする。既存キャラの旧ガイナ風味に対する、昨今の新ガイナっぽいデザインのせいもあるかもしれまへんけれども。


当然ながら作画も素晴らしい状況。そこここに旧作のオマージュっぽい画面とかあってよし。使徒はデザインがほぼ一新されてるのでほとんど新規作画の中にあって、バルディエル…じゃないのかまあいいや、あの4号機暴走使徒シーンは割とTV版のを使ってましたな。田んぼの水ばしゃあっと跳ね上げて手を伸ばしたりとか、新規作画と比べても遜色ないのがなんかすげえ。あの辺誰の絵なんだろう。まいいや。


てことで充分楽しみました。以下駄言。初っ端からミサトさんのケータイ音が科特隊の警告音で笑ってしまうが、ワシが気付かないだけで他にもいろいろパロネタとか突っ込んでありそうだなあ。なんかバルディエルみたいな人、一瞬ジャミラの声出してませんでした? あと前作に引き続き、爆発シーンにがっしゃーんとガラスの割れるSEがあり。ヤマト好きねえ。