ダンタリアン/うさぎドロップ/夏目友人帳

ダンタリアンの書架・7話。「焚書官」と名乗る長身の男、拘束衣に身を包む白い少女。どうやら彼らも幻書に関わりのある存在のようで。それともう一組幻書関係者が(回想として)登場したが、皆さんを見るだに幻書関係者は「ノッポ男とちんちくりん少女」コンビでないとアカン、ってなレギュレーションでもあるのだろうか。ちっこいジジイと妖艶姐さんのコンビではダメなのか。まいいや。


てことで、ハル兄さんとフランお嬢さんのコンビのお話。さてこの人たちがいつダリアンちゃんたちにからむのかしらと思ってたら、結局このコンビだけでお話が終わってしまった。その辺はまた先々の楽しみか。…お話の方は一見賑やかな小地方都市の真の姿について。実は町の人の8割方が呪術人形であり、それは大事故のショックを認められない女警官の心理をある者に利用されたため…という、ちょいと乙なホラー話で割とよし。


今回の主役たるハルとフランのコンビもなかなかキャラ立ちしてましたね。フランベルジュお嬢さんの妙な毒舌キャラもエエけれど、常に眉間にしわを寄せてぶっきらぼう、イザとなったら幻書を「燃やして」その超常パワーで周囲を焼き尽くす、っちうワケの判んない攻撃方法のハルさんがなんか楽しい。焚書「官」と名乗るってことはどこぞの公的な組織に属してはんのかしらね。オマケにバリツマスターだもんなあ。どんな経歴なのやらこの人。…スルトの杖、ってことはケルト系か?


折角の幻書を焼きながら攻撃するという都合上、ダリアンちゃんたちとは相容れないっぽい感じがしますがさてどうなるやら。あとあの爆撃機が古くさかっこよくてよかったな。複葉でプッシャー双発、という現用機とはかなり雰囲気の異なる佇まいがエエけど、あれ何なんだろう。WWIのヒコーキよう知らんのだよな。…ゴータとかAEGとか、あの辺の時代やよね?


うさぎドロップ・7話。大吉のいとこ、ハルコさんの家出。…あーねー、どうもお姑さんとシックリ行ってないような風情であったが、やっぱね。離婚については「無い」と言うものの、回答までの一瞬の間が揺らぎの可能性を語っている。積極的な解放策じゃなく、まだ自分は我慢できるから、ってな理由で離婚しないっちうのも、ね。


てことで、大吉さんちが一時的に賑やかになる話。大吉はこのイヴェントによって結婚というものについてちょっと考えている。多分頭の中にある漠然とした相手はコウキママなんだろうけれど、やはりそない単純に決められるようなものじゃない、という印象を新たにしたのだろう。…大吉とハルコさんが、リンちゃんとレイナちゃんとコウキの三人による「無意識のクリティカルヒット」を喰らうシーンが面白かった。イノセントは強いねっちうお話だけど、撃沈していく大人どもとエエ連携の子供会話のテンポよさがね。


とりあえずは落ち着いて、ハルコさんはご家庭へと帰ってゆく。このシーンでのハルコダンナさんは、ちょいと気弱そうではあるがエエ人っぽい感じ。お仕事と家庭の両立は難しいのだねえ、という。あと重い荷物を肩にぐいとかけて「女子の荷物は多いものよ」と言うハルコさんのシーン、気合の入ったカメラワークと作画でしたな。まさにこのシーンが今回のヘソだったのだろう。


夏目友人帳 参・8話。子狐さん再登場の巻。久々に夏目さんに会えると知って大喜びの子狐さんであるが、どうもうまいことタイミングがつかめずすれ違う状態である。そうしてるうちに彼は夏目さんの目的を聞きつけ、ならば自分が一肌脱ごうとするのだが…というね。ま、夏目さんの捜索物たる「オボロ草」てのはマクガフィンに近いものであって割とどうでもいい…脚本の都合でどうとでもなるものではあるのだが。


今回のテーマは時間。人と妖、それぞれ別のスケールを持つ存在だけに、なまじ交流を深めると往々にしてそこには悲劇が残ってしまう。千年万年生きてきた岩の妖はそんな事例をイヤほど見てきたのだろう。そんな岩ジジイだからこそ、彼が長い長い人生を省みず救った「子狐と夏目の関係性」というお話に心を動かされたりするのだ。長く生きてきた岩ジジイだって未来のことは判らない。…壊れてしまった子狐の腕時計は、多分そういうことの象徴だ。火を使って土に時間を固定する陶芸のネタが併走しているのも何やら小憎らしい。ちぇ、上手いこと話作りやがって、てなもんだ。

子狐の矢島晶子は毎度ながらもう、イノセントかわいいの権化みたいな演技で言うことがない。岩ジジイの加藤精三も年輪のある演技でよし。あと今回、それほど出番が無いにもかかわらず妙にワキが豪華だったなあ。ヒノエの岡村明美とかちょびひげ妖のチョーさんとか…ははあ、ヒノエさんは次回も出るのか。なるほどね。