チャハ―――ン

●チャーハンをよく作る。テメエで喰うのだからどう作ってもエエのだが、一応この業界には「パラリとしていた方がおいしい」っちう不文律…文にはよくなってるな…では有文律…いやこういう場合わざわざ「有」の字なんか付けんか…なら文律…待て待て元の単語たる「不文律」は「不文」と「律」に分かれるべきものであって文律などという単語は存在しない…となると律…。うん律だな。律か。よおしじゃそれ。


何の話だっけ。そうそうチャーハンがパラパラする話。結果的にベタベタせずに居ればまあオッケーってことで、ワシは少々ズルをする。つまりまあ、ご飯ですな。水分量少なめ、かつ炊飯時に少量のサラダ油を混入させて炊くのである。これを適時蒸らした後、皿の上に広げて軽く水分を飛ばしてやる。するとチャーハン用にパラパラしやすい飯が手に入る。…鉄人の陳さんはライスを冷凍させてパラつかせてたけど、あそこまで徹底はしまへん。ワシのはなんちゃってチャーハンっすから。


あとは普通に。パンをアホほど熱して油を回して一旦油きり、再度油を入れた所に溶き卵を落とす。ジャジャッと混ぜて即座にメシをイン、パラついたら青ネギ刻んだのと醤油を回して一あおりして出来上がり。メシがふわっとしていれば、醤油だけでもとても旨い。


…ここまでは正道、ワシは邪道。もろもろ具を入れちゃいますからね。事前にニンジンやらタマネギやらを粗微塵にして炒めといたのを足したり、カニカマほぐして投入したり。納豆チャーハンはとても好きなのですが、パラリとさせるならばかなり熱を加えねばならず納豆の持ち味を殺し、かといって納豆を生かすならばチャーハンの身上であるパラパラ感が損なわれる、という…ワシの料理師匠にはお出しできない代物です。でもワシが喰うのだからエエねん。別にね。


あと、汁なし焼きそば状態で調理した袋即席ラーメンね、これ作るとスープのもとが半分余ってしまうんだけど、この化学調味料の塊を投入しても旨い。これは流石に旨い。個人的に塩ラーメンのものがオススメ。とんこつはちょっと濃いかった。


●たまーにそんなんじゃなく、ウチのお母んが日曜の昼とかに作ってくれてたような「焼き飯」が喰いたくなるときもありますけどね。いろいろやってみたが、「冷や飯」「油少な目」「ほんだし」で結構似たものができた。これはこれで旨いよ。料理って記憶のものでもあるよね。あと、お母んの焼き飯には何故か必ずカマボコが入ってんだよなあ…なんでだろうね、あれ。旨いけどさ。