えん魔くん/電波女

Dororonえん魔くん メ〜ラめら・4話。冬の日に眠り込んでしまったハルミちゃんを救出とか…えーと、あんまりしない話。一応は「芸術家妖怪が催眠妖怪の力で人間を誘拐して異形と化している」っちうスジがあるにはあるんだけど、割とその辺どうでもよさげな雰囲気が濃厚に漂う。時代/作品の方向性なのか、キッチリとしたストーリーテリングを初っ端から放棄してるようなズルズル加減が問題でもあり味でもあり、ですな。それよか雪子姫のしりやふともも、あるいはえろっちいシチュエーションを賞玩することに専念すべきではあろう。ま、地上波的かつお子様的にKENZENな範囲内ですけどね。


今回はサブテーマとして永井豪作品のちょっとしたセルフパロディという味付けもあり。あんまし詳しくはないワシだけど、メインで出てきたハルミシレーヌさんとエンマジンガーはなかなかハマってたなーと思った。シャッポパイルダー、かっこいいやん。割と。…にしてもあのけっこう仮面みたいなお嬢さんは出てくるだけのまんまだなあ。このまま最期まで出てくるだけ、でも割とかまわんけどね。くっくっくっまったく恐ろしいやつよのうくのいちカスミ。


ゲスト妖怪に三ツ矢雄二日高のり子のお二人さん。ああ懐かしやタッチの名コンビよのう…とか思ってたら共同で事務所立ち上げてはんのね。ご盛況なことで善哉。


●新番組・電波女と青春男。詳細は知らず、ラノベ原作ですか。田舎から都会へ出てきた青年が、ヘンな叔母さんとヘンな同居少女に出会っていろいろ苦労する話。どうやらその「電波女」たる少女には秘密があるようで…というね。構造自体は特に奇を衒わない、青少年を主人公としたお話によくあるタイプなんだけど…うーん…。これはちょっとキツかったなあワシ。


何がキツイって台詞やよね。ワシ数冊しかラノベ読んだこと無いので正しいことは判らないが、なんかこう、他のジャンルの作品が揶揄するような「ラノベ」文章のイメージそのまんまというか。普通そんな言い方せえへんしそういう返しもありえんやろ、ってなやり取りが延々と続く。別にダイアローグが不自然でも、何らかの面白さがあれば一向構わないのだけれど、ワシ個人の嗜好としてかなりピンと来なかったのが実に辛い。画面のメリハリもあんまし無いし、ヒロインの台詞は布団越しで聞き取りにくいしねえ。ヘンテコな状況を前にして主人公が言う「回りくどいことは苦手だからハッキリ言いますが」の台詞、皮肉にも自己言及ギャグにも自虐ネタにも見えず、純粋に「何言ってんだコイツ」と思っちゃった段階でもうワシの白旗である。とにかく…まあ、退屈だった。


監督は新房昭之、制作はシャフト。いつもの先鋭的な演出は控え目で割と口当たり良い画面になってんだけど、こうなるとヘンテコな画面効果の無いのが余計に退屈な雰囲気を感じてしまったり。いろいろ煩いね、ワシもね。…ここ数作品、新房監督の作品で割と楽しんできて「ふむ、苦手意識も弱まってきたかな」と思ってたけど、これはちょっとワシムリかも。てことで…うーん、多分パス。すんませんねえ。