デッドマン/花咲くいろは/カイジ

●新番組・デッドマン・ワンダーランド。詳細は知らず、マンガ原作作品ですか。冒頭のそこそこアリガチな学園シーンが一変、大量虐殺→濡れ衣による死刑判決→特殊刑務所にバトロワもどき、あとついでに謎の少女と出会います、という…何かもう、もりだくさんにも程がある第1話である。絵的にシュッとしてるから見た目はソレっぽいけど、主人公の転落人生の軌跡といい民営刑務所の設定といい、カイジとかその辺に近い「細かいツッコミ無用」な無茶な構成の話ではあるよな。未来の話だからってことで全部言い訳できるっちゃできるけどね。


ま、それはともかく。上記の如くぽんぽこ死人が出る作品であり、少年残酷冒険譚ってなジャンルなんだろうけど、肝心の殺戮シーンがほとんど規制によって何が何だか判んない状況だったのはちと残念。いやワシ割とゴア描写は苦手なのでそんな見たいワケじゃないんだが、あそこまで規制が入るとお話の流れを阻害しちゃってるよな、っちうことで。その辺はのちのちソフト買う人間のために、規制ナシバージョンとしてキープしてあるんでしょうな。


主役のガンタ少年にパクロミさん、この手の悩める青少年はお手のもの。謎の天然ヒロインに花澤香菜…ってまた貴女ですか! ここしばらく引っ張りダコであり所謂プリングオクトパス。いいけどね。そしてなにやら黒幕っぽい刑務所長は諏訪部さん、今回はゲス悪役バージョンで水を得た魚の演技。ふむ、キャスティングはなかなか手堅い…。


てことで、うーん。舞台設定が単純なので基本的には毎度の(多分エエ感じに残酷であろう)バトルを賞玩する作品、でいいのかな。どうも陰鬱な流れになりそうなのであんましワシの好みではないが、とりあえずもうちょっと様子見てみよう。


花咲くいろは・3話。小説家さんの宿泊と原稿紛失を巡るゴタゴタは続く…のだが、なんか割とあらぬ方向へゴタゴタしてゆくのである。原稿書けないのでオハナさんを亀甲縛りにし、それがバレたら盗んだ軽トラで走り出し、あんまし死ぬ気もないのに岸壁で自殺者を演じて見せ、ついでに海に落っこちて助けられる。…うん、実にめんどくさいね。ハタから見てもどうしよーもないヘタレ兄さんでしかないが、しかしオハナさんは彼の(えろ)小説に自分の一面を見出す。「私、輝きたいんです!」…うん、ちょっとそれは…いや本人が感心したならそらそれでエエですけどね。


オハナさんの説得の肝となる上記の「輝きたいんです」っちう一文、それ自体の説得力がもうちょっとあると良かったかなあ。オハナさんがハッとするにはちと陳腐だったし、一方でえろ小説の文脈からはなんか浮いてたし、でちょっと中途半端だった。あるいはこの文言が今後も要所で出てくるとか、そういう仕掛けなんかしらね。


「あの子なら何とかすると思っていた」っちう女将さん。そんなけ人を見る目が確かですという描写なんだけど、少々精神論っぽい方向に傾いてるのがちと違和感。何というか、もうちょっと実地の行動で判断するリアリストの方が信用できるような気がするもんで。「やる気があれば常にあなたはお客さんだ」っちう小説家への説得も含めてね。…ま、この段階でこの女将のキャラを図るのは早計でしょうけれども。


緊急時に献立について話してる板前と女将、っちうシーンがなんかよし。ステロタイプだけど、こういう「動じないプロ」っちう描写は見ててカッチョエエもんな。それとあと、禁断の仲居三人えろしーんについては…うん、小見川さんがんばってんなーという。フレームインするのに画面下からスッパでぬうっと出てくる絵面が何故か可笑しくて困った。


逆境無頼カイジ 破戒録篇・2話。さあ楽しい楽しいギャンブルの開始であり、そのお題はチンチロリン。まだまだエンジンかかってない状況のカイジさんだけれど、チマチマ賭けてちゃラチが開かねェやってんでドーンとペリカを放出し始め、案の定のボロ負けである。その状況にて「くやしい! くやしい! だがこれでいい!!」ってのが実に福本節だわなあ。とにかくこの作品において、賭け事なんてのはギリギリん所で死ぬような目に遭わないと意味が無いのである。…難儀なオッサンらやでェ。


目の前の快楽(ビール)に負けて散財し、班長の甘言に乗って給料前借し、その上でそれ賭けてチンチロをする。まあ素晴らしきダメ人間ではありますな。べらべらまくし立てる班長の言葉に「意外に喰えねェな」と正確な判断をしておきながら、直後「だが確かにそうかも」つっちゃうのがカイジさんであります。いやホンマ、意図的にも無意識でも自分自身を奈落に落っことさなきゃならん「業」のようなモノを感じますわい。他人事なのでワクワクします。ワシの視点はもう、前シーズンの金持ちクズどもとほぼ一緒ですわな。


てことで段々と逆境ノリ、カイジ本来の勝負キャラに覚醒しつつある状況だけれど、まァまだ班長の掌の上ですしね。次週以降のカイジさんの転落ぶりが楽しみである。