花咲くいろは/カイジ

花咲くいろは、前回1話書き損ねてたのでまとめて。


●新番組・花咲くいろは。マンガ等の同時メディア展開はあるものの、今時珍しいアニメオリジナル作品ですか。てことで舞台は石川県の温泉旅館、主人公は心ならずも仲居見習として住み込みさせられる事になってしまう、ってとこで第1話。よく昼ドラなんかにありそうな主題ではありますな。いや今の時代の昼ドラがどんなもんかよう知らんけど、イメージとしてね。


伝統と因習の修行世界に放り込まれる若いお嬢さんとなると、ちょいと古くならおしん的なイメージ、昨今なら型破りな元気系主人公、ってとこでしょうか。さて本作の場合だけど…ふうん、ちょっと面白いなあ。どっちのタイプとも言いにくい、ちょっとズレてるが芯はある人、というか。発端にしてからが「借金こさえて夜逃げするわえへへ」と言うダメお母んに「しょっがねーな、じゃ北と南どっち行こうか」と対応するという、まァお母んもお母んなら娘も大概やな、っちうね。


結局お母んに「アンタはめんどっちいので婆ちゃんの旅館に行き」言われてこの舞台に転がりこむワケだ。当然ながらキッツイお婆ちゃん=女将には怒られェの同僚の仲居さんにはケンケン言われェのと、社会…というよりは割と特殊なコミュニティの厳しい洗礼を受ける。ここで生きてくるのが上記の性格。泣いたり悔しがったりするんだけど、Aパートからの描写見てると「あ、コイツならひょっとして何なとしよりそうやなという雰囲気が出ている。


自分の意見はちゃんと持っているが、しかしやはり中二的というか、いささか甘いところのある主人公・オハナさん。今後彼女が、その性格を持ったままどこまでやってけるのかっちうお話でしょうな。…うん、ハタで見てても「がんばれよ」っちうとこやけど、ちょっと喋りの台詞がくさくなりがちなのがアレかもな。いやその辺含めてのオハナさんなんでしょうけどね。もちょっと見てみよう。


花咲くいろは・2話。オハナさんの仲居修行は開始される。が当然ながら初っ端からトラブル続きであり、それは本人の資質(思い込んだら突っ走っちゃう)と周囲の状況(あんまり仕事について教えてくれない)の複合原因である。よってオハナさんは状況を変えるため、自分も空気読む(いろいろ尋ねる)からあんたらも頼られろ、っちうことにする。…「他人に頼るな自分に頼れ」ってのは確かにエエお題目なんだけど、それは自活生活する場合における戦術ではあるよな。彼女のあまりへこたれない気質のおかげでムダにゴタついてるキライもあるが、また一方へこんでも再起動するだけのパワーもあるワケでもあり。


てことで、トシもちかいミンコさんとナコさんへ、仕事上の同僚としてオハナさんなりのアプローチをする話。今回はほぼ、他者との対話を怖がるナコさんが注意事項の伝達を放棄したことが問題なんですが…まァね、いくら先輩だからってまだ若いからね、そら皆さん未熟だわな。これから皆さん、ちょっとずつ仕事も人間関係も円滑に行くようになるのだろうか。さて。…でも、オハナさんも買出しに連れてかれた車から勝手に降りて帰っちゃダメだと思う。結局何したかったんか判らんかったし。ハタから見たらシゴトやだったんで逃げたように見えるわな。


諏訪部声の官能小説家さんとのトラブル。これ、いろんな接客業務で発生するタイプの問題だわなあ。「あの客がいないときに部屋に入るな」という注意事項にしても、多分この人と一回トラブってからの対応マニュアルでしょうしねえ。原稿がなくなったという申し立てがフェイクなのか「これ幸い」なのかは判らんが、どうやら元からカネが無さそうな感じのお人ですが…なんか予告見ると次週でもゴタゴタやってそうですな。うーむ。


●新番組・逆境無頼カイジ 破戒録篇。確かめてみたら前シーズンから3年近く経ってんのね。てことで福本人生劇場、再度の開幕。前期最終話にて壮絶な敗北を…「負けるべくして」の負けを喫したカイジさんであるが、さて新シリーズ開始に当ってどーなってるかというと、まあなんの進歩も無いクズそのまんまであっていっそ清々しい。そうそう、こういうキャラでしたねえ。土壇場での超人的な精神力と判断力を持ちつつ、同時にどうしようもなく状況に流されやすい脆弱な心を持つ男。正直、エエ主人公キャラだと思います。何というかこう、見てる側に様々な感情を呼び起こしてくれます。ハイ。


お話としては状況のセッティング、戯画化された地下強制労働世界の説明である。細かい疑問点はすっ飛ばし、単純かつ純粋なステージの設定で話を進める…という、福本マンガの特徴がよく出ている。あんましいろいろツッコむのはヤボであろう。状況が単純だからこそ、その分描写が強まってるワケですしね。カッツカツの搾取生活の末の、僅かなビールと焼鳥とポテチのあの絵! 真骨頂ですな。


キャストは非常に堅実な演技。萩原さんは本当にエエ声優演技するようになったなあ。ビールシーンの迫真具合がもう楽しそうすぎる。そしてこのアークのゲスト主役・大槻班長にチョーさん。何となく長嶝高士っぽいイメージで原作は読んでたんですが、人当たり柔らかくイヤらしいこのキャラにチョーさんははまり役。あと立木ナレはさらに暴走中でありいいぞもっとやれ。不味い食事ッッ!!


てことで今回も楽しそう。問題無く視聴開始。…(意図的に)言い忘れてたけど、あのEDは卑怯だと思います。別の意味でEDです。いやいい人なんだけどね、美心さん。