日常/フラクタル/放浪息子

●…ちょっとこの曜日、作品が立て込みすぎてんな…。番組改編でそのうちいくつか終わるものの、それでもやっぱし過密状態になりそうだ。うーむ、どうしたものか。とりあえず見られた分だけ。


●新番組・日常。詳細は知らず…まあ、ネタ画像としては見たことあったが、作品としては知識なし。京アニ制作ですか。なるほど冒頭からいちいち丁寧な作画で、シンプルなキャラ造形にも関わらず妙に重心を意識した動きがあったりして面白い。そしてアバンのネタ、割とほのぼのとした話運びのオチが街を巻き込んでの大爆発。いやまあ、ギャグとしてはアリネタの部類だろうが、話の流れ上の落差やオーバーさが極端でよし。このネタをまず提示することで、作品の方向性がどうなんだっちうのを見せているということか。うん、まあ、よう判りました。ええ。


基本的には小ネタをゆるく連続させるという、タイトルに沿ったジャンルの作品らしい。当然毎度の感想も書きにくいタイプだわな。ま、それはそれでよし。1話の段階なのでまだコッチが慣れておらず、のんびりさせたいのかテンポ良くさせたいのかイマイチどっちつかずな印象だったけれど、しばらくしたら気にならなくなってくるだろう。あと京アニの小ネタ連鎖アニメって、高くて丁寧な作画が作品の軽さを殺いでるような印象を毎度感じるんだけど…それも、ま、見てるうちに慣れるかな。とりあえず、落としたウィンナーをめぐるアクションは過剰性の暴走がかなり楽しかったです。うん、いろいろアウトだよね。うまい! じゃないよね。


予告ナレは桂玲子。…京アニってのはホンマ、こういうネタ好きねえ。サザエさんとかじゃなく新作に出演したのって久々じゃないかな、とウィキペ見たらほぼ20年ぶりでした。すげえ。


フラクタル・10話。僧院に乗り込んでアレコレの巻。揃っちゃいけない鍵とか何とか言いますが、そらまあお話の都合としてクレインとネッサとフリュネが揃わないと立ち行かないワケでして。その言い訳であり多分作品のテーマの一部であろうことが、ネッサの言う「一緒にいる」こと。世界の危機よりも隣の友。そして多分、この作品としてはその二つは…間に大きな構造はあるとしても、繋がっていることなのだろう。ま、そんなめんどくさい言い方せんでも「愛だよ愛」でいいんでしょうけどね。そしてその愛を語るのが、作品内胡散臭いランキングトップクラスであるディアスさんだ、ってのがおもろいというか何というか。彼の愛とは何なのでしょうか、さて。


とまあそんなお話だけれど、やはりちょっと通り一遍すぎる味わいでいまひとつ物足りない感じはある。何かこう、まだ煮詰まっていない段階のシナリオを見ているような、あるいはゲキガンガーみたいに「作品内作品としてのパロディ」を見ているような。それは中盤の肝である祭司長とフリュネの愛憎織り成す宗教対話においても同様で、両者とも意志に基づいたエエ台詞を吐いてはいるのだけれどどうも表層的でノり切れない。…それでも場面が持ってたのは、半分以上島本須美ねーさんの演技によるとこ大だろうなあ。


さて、そろそろお話を収束(あるいは発散)させなきゃならない段階であるけれど…どうだろうね。思いのほか小さな話で終わりそうな気がしてきた。ま、ワシの予感は大いに外れるのが常なので、あまり気にせず次回を待ってみよう。


放浪息子・10+11話。ちょっと変則的な話数だけど、予告の段階でそうだったから震災の影響、ってワケでもなさそうだ。もとからこういうカタチで放映する予定だったんでしょうね。描くべきことを結構切り捨てて構成しているようなので、そこまで詰め込んだなって印象はしないが、それでも普段と較べると明らかにダイジェスト風味はするな。


てことで、女装登校してきたにとりんその後のお話、である。変わり者という印象のちーちゃんやキャラに合ったよしのさん、何より女性であるという彼女たちのケースと違い、男の子が女の格好で学校に来るってのは大概な反響となる。まあ、からかいやいたずらの対象となるのは避けられぬわなあ。切り詰めの結果なのかどうかは判らないが、そのいじめっぽい描写がどう推移していったかというのはあまり過剰には描かれない。ただ、にとりさんの対応が実にこの人らしい受け流し方だなあ、とは思ったりした。不登校になるのも陰口をやりすごすのも、ね。


その中にあって、ある意味特別な存在として描かれているのが土居さんである。「女装して学校へ来いよ」つっといて、来たら来たで「バカじゃね?」である。…うーん、確かに酷い人であるが…これが同世代の男子の平均的反応でもあるだろうなあ。その上何かにつけ、土居さんはにとりんを気にかけていることは間違いない。多分彼自身、にとりんとその周囲の状況に対して意識的な理解にはまだ至っていないのであろう。あの大人しいにとりんが土居さんに対してだけは「お前のことが、嫌いなんだ」と感情表出するに至る。上記一連の、その他諸々たちのからかいに対しては受け流している彼が、である。この齟齬が、のちのち面白いことになったら面白いのだけれど。


ダイジェストなので割と時間がすっ飛んでるようで、にとりん髪の毛グイグイ伸びてます。そんだけじゃなくて身長もね。姉ちゃんと並んでみな、と言われて並んだらにとりんの方が一回り大きくなっている、という絵でシメるのがすごく上手い。受け入れようが抗おうが関係なく訪れる成長、その「時間」をオチとして見せるやり口。「組んでいた腕を下ろしたら袖の折り返しが伸びていた」のシーンでシメる、プラネテスのキュータさんの回を思い出した。