レベルE

●そろそろ録画アニメがたまり始めた。ここ数日あんまし見る余裕がないのもあるが、一時的に休止してたのが再開し始めたってのが大きな理由やね。二階建ても多いしね。うへこら大変だとも思うが、このたまり具合はまた「世の中が少しずつ平静に戻りつつあること」の指標だとも思えるワケで。…願わくば、それが「世の中が過酷な状況を忘れつつあること」の指標ならざることを、強く思いつつ。


●とりあえず見られた分だけ、まずはレベルE・9話。一目惚れ侵略宇宙人の危機・後編。ミキヒサさんが女性と判って残念ながら去ってゆくサキ王女であるが、前回「いや超科学宇宙人なんだしそれくらいちょちょいと」などと思っていたとおり、ミキヒサさんを男性化するという何でもアリな手段で対抗するに至る。ここで王子登場、あーやっぱしこの人が場を引っ掻き回すのかなーと思えばさにあらず、(悪魔的とはいえ)状況打開の手段を提示する役割を担うワケで。…どうせならそのもっと悪い手法も聞いてみたかったところではあります。しかしまあ、クローン作って擬似記憶植えつけて、か。彼らがどの辺まで万能なのかよう判らんけど、この作品ではちょっとミステリとかはでけへんな。


女性の体にして男性の意識を持ち、その経歴において苦悩するミキヒサさん。性同一障害に近い、というか割とそのまんまですかね。運か環境が良ければ理解者やそれなりの落とし所もあったんだろうけど、そうでなければ…まあ今でもこういう形で苦しむ人は少なくはないだろうか。今回の王子の解決法はいろいろと問題だらけではあろうが、一方で全て丸く収まる方法でもあったのは確か。サキ王女さんたちは割とどうでもエエけれど、この事件によってミキヒサさんがある程度でも生活しやすくなったのはエエコトだった、と言えるか。ま、クラフトさんは真面目に悩んでくださいってことで。


…それしてもやっぱ、人類と生理的共通点の多すぎる宇宙人ってのは気になるなあー。こんな話でなければ何も思わなかったんだろうけど、イザ生殖行為もイケまっせ、っちう話になるとねえ。四種の核酸塩基による暗号ベースやらコーディングやら…ひょっとしてパンスペルミア的な世界観だったりするのか? どうなのか? …とまあ、ワシのようなめんどくさい男はほっとくべきである。


レベルE・10話。カラーレンジャー再び。今回の事件はツインテマーメイドという大原さやか声のお姉さんがらみのお話。ウソをウソとして簡単に見抜けてしまい、ウソ吐かれると反射的に相手をぶっ殺してしまう、っちう少々物騒なお嬢さん。なまじ外見が美しい種族だけに、人身…宇宙人身売買の対象として哀しい人生を送っているお方である。そういう特殊能力を持っているからこそ、そこにトリックを仕掛けられると全く抜け出せないのでありまして、ならばここでカラーレンジャーの出番であるよ、っちうね。


話の構造としてはかなりスッキリしたもので、見せ場は主にマーメイドさんとカラーレンジャーたち、特にリーダーっぽい清水さんとの関わり合いがメインである。アメリカへ引っ越しちゃうことになった清水さんが、仲間たちに強がって虚勢張ってウソ吐いて…という、ガキ的になかなかリアル/かつ友情モノとして王道の行動が判りやすい。あくまでコッソリと彼らを支える殺し屋先生を見るにつけ、今回の悪役さんはチンピラ程度のキャラだったようであり、てことで畢竟お話はベタな人情ドラマ方面へと向かうのでありました。


それだけに、いつ王子が乱入してちゃぶ台をひっくり返すのかとヒヤヒヤしてましたが、今回は無しでしたな。王子さえいなけりゃこの世は安泰っちうこっちゃね。…あと、話の半ば辺りで急に絵のタッチが濃くなったりしてたのはあれ、原作準拠の効果かしらん。アニメとして見てる分にはちょっと唐突だったような気がしたりした。まァささいなことですが。