ゴシック/フラクタル/放浪息子

GOSICK・2話。成り行きと強引さで豪華客船のパーチーにもぐずり込んだお二人さんであるが、早速めんどくさい事件に巻き込まれる。どうやら趣味の悪い人間狩りのあった客船のようで、野うさぎだの狩りだのの1話アバンの話に繋がってくるってワケですかな。


船上という閉鎖空間にて発生する殺人、過去の陰惨な事件の残滓、極限状況で狂乱する精神力の弱いおっさん…とまあ駒や道具立ては揃っているが、やはり積極的に「ミステリですよ」っちう面を押し出してきてる感覚は薄い。ヴィクトリカさんの謎解きがかなりアッサリチャッチャとしてて、大時代的なタメが無いからなあ。ま、今んとこは序の口であとあともっとベタなシーンが設定されているのかも知れんが。


一弥さんもついでに眠らせるためのギミックだろうが、ヴィクトリカさんにムリヤリパンを喰わせられるというシーケンスはいささか苦しいか。睡眠薬をよりによってパンに仕込んだ、ってのもなんかアレだし。…あとあの「12人いる!」ってのはそういうギャグ、っすかねやっぱ。


●新番組・フラクタル。事前からあれこれ、結構な話題性を引き連れた作品ですな。とりあえずOPはタイトルにちなんでちゃんとマンデルブロな絵でありますが、毎度々々キッチリ見てやろうっちう気にはちょっとなりにくいか。


てことで本編ですが…牧歌的な風景と仮想現実、アヴァター(ドッペル)による偏在システムなど、なかなかにキャッチーな出だしではある。んでもってストイックな不思議少女が空から落っこってきて、ヘッポコ三人組の悪役が出てきて…とこの辺は既存のアリネタで構成してきたな、って感じ。メーヴェ気味な飛行機とか女の子とか、ちょっと前の宮崎っぽい要素が多いかな。とするとあの三バカ悪人は、タツノコと言うよりはナディアのグランディス一味っぽいと言うべきか。宮崎→庵野→本作、っちう流れとか? 


ヒロインのフリュネさんは、両親という概念に過剰に反応したり歌に呼応したり、どうやら人間的な感情や絆っぽいものに思いが深そうである。時代を超越したっぽい言動もあり、ひょっとしてこれは「フラクタル」というネットワーク世界の外部からの来訪者でもあるだろうか。…ラストでもう一人お嬢さんが出てきたけど、ダブルヒロインってことっすかね。あるいはマスコット的な何かか?


特に奇を衒ったところのない、堅実な第1話。作品外部のアレコレがあったおかげでいろいろ言われそう/言われているけれど、まあ必要充分なデキなんじゃないっすかね。判りやすくベタな導入だけに、これからどういう風に展開してゆくのか…このまま豪華な王道物語となるのか、逆に落差を生かした意外な展開を見せるのか…ってな期待は持てますな。てことで、継続してみよう。


●新番組・放浪息子。詳細は知らず…マンガ原作ですか。最初からかなり多め、かつ各々それほどのムチャなデザイン的差異もないキャラ群がわらわら出てくるのでちと戸惑う。おまけにどうやら原作の途中からアニメ化してるようで、過去あんなことがあったアイツはこんなやつだった、などのエピソードも入ってくるので余計にゴチャついたり。この辺はおいおい慣れてくる…のだろうか。


物語は中学入学式、各人の紹介から。これから繊細気味な学園ドラマでご機嫌お伺いってとこかな、と思ったが…ああ。なるほど。主人公は女装の人で、ヒロインは男装に憧れている、と。トランスジェンダーな内容で繊細な雰囲気の学園モノ、ってことで何となく「ささめきこと」を思い出した。


非常に明度が高くて白トビしたような画面やナチュラルさを前面に押し出した芝居など、この時期の坊ちゃん嬢ちゃんの「不安定な純粋さ」が出ててよろしい。控えめなキャラデザもそれに貢献してはいるのだが、やっぱいきなしじゃ見分けづらいかな、うん。…あと主役の修一さんの声、畠山航輔…って男かよ! すげえな! 違和感ねえな!
 

てことで、まあ大体どういうタイプの作品かは把握したのだけれど…んー、ワシのようなおっさんにはちょっとトッカカリに乏しいかなあ。デキや質は高いと思うんですが、えーと様子見で。


●てことで…さて。だいたい今期アニメも出揃ったかしらん。ワシの処理能力考えると今見てる本数よりもう一つ二つ諦めたほうがよさそうなんだけど…うーん、どれをリタイアしようかなあ。