神のみ/バクマン/ジャイキリ

神のみぞ知るセカイ・7話。ヤンデレアイドルかのんさんアークのシメである。大舞台を前に突然の恐慌に駆られた彼女はただ、逃げる。その状況を救うのは桂馬さんしか居ないんだーゼー、という話。キスによって悪心退散という単純なゴールだけじゃなく、ちゃんと周囲の状況をクリアした上でかのんさんも救う、ってな展開はちゃんと手厚い。


ただまあ、3話かけてやったにはちょっと薄かったかな、っちう気もする。尺が長いので、その分細かいディテイルが不足しているキライがね。例えば過去所属していたアイドルユニットの存在、あるいは透明になった後に桂馬さんだけが見つけることが出来た過程。それらの要素にもうちょっと深みが足りなかったように思えた。これがもうちょっとコンパクトにまとまってたら、各々割と問題なくパーツとしてはまっていたんじゃなかろうか。


あとこれは純粋に個人的な嗜好の問題だが…んー、やっぱあんなけデカいイヴェントとなると、苦労してるウラカタさんたちの方に感情移入してまうんやよね。おっさんとしてはね。アイドル(桂馬さんの言によればスター)ってそんなもんと言わば言えるのだろうけど、会場につめかけてるファンたちともどもほっぽらかして「ワタシもうヤだ」と逃げてしまうかのんさんにはちょっと乗り切れないものはあった。繰返すがこれ、ワシ個人の好き嫌いであり、作品構造の欠陥とは言えないとは思います。すんませんねえ。


コンサートでの歌をメインにすえたクライマックスと、そのままエンディングに入る「特別感」は出てたっすね。BGMがちゃんと、反響や音質で「広い会場での音楽」っぽくなってんのが良かったな。


●…何か知らん、このNHKアニメ二連荘だけは毎度録画に失敗するなあ。いっぺんチューナアプリ等を精査せんならんが…とりあえずはごにょごにょして補完。


バクマン。・8話。手塚賞を目指してゴリゴリがんばり、なんとか締め切りに間に合わせて服部編集者に持ってったら何やら高評価な状況である。そんでもってウキウキしてたら落選してガッカリ、しかしここでとどまってても仕方が無いと発起した途端にヤな級友にバカにされ…とまあ、実に青少年らしい感情のアップダウンが初々しい。…いや違うな、人間どんなにトシ取ろうがマジになったものにはいつだってこんな風になるわな。てことで、まだまだ前途洋洋とは言えない航路を旅行くお二人さんの物語である。


それにしても、シュージンの作劇嗜好はあんまし…その、週刊少年ジャンプ…もとい少年ジャックっぽくはない感じやね。どちらかというと青年誌とか、それこそラノベっぽいような気がする。そもそも今のジャン…ジャックでは、あんな感じのSFモノってのはそれほど歓迎されないよね。とまれ、ここまでちゃんとシュージンがどんな嗜好性を持つ人なのか、ってのが確たるものになってんのはやはり周到。今後どのように変わってゆくのかも含め、ね。


クライマックスに口だけ大王のヤなヤツを配し、彼をぶん殴るシーンでシメ、っちう構成は実に快楽原則に忠実でよろしいな。無論暴力でカタつけんのは問題ありだけど、頭脳派に見えて実は情念の人であるシュージンのキャラと…あとまあ、当然彼らの若さが良く出たエエハナシやったと思いますよ。…うん、ワシはかなりあの宮田さん声のヤな野郎側の人だという自覚もありますしね。うん。ねえ。まあ。


GIANT KILLING・9話。またもETUは敗北を喫するも、タツミさんは「戦えるチームになってきた」と思っている。問題は周囲のサポーターたち。今期のETUの変化を見て舞い戻ってきたファンたちは、現在の観客席の状況を見て違和感をもらす。昔ァもっと楽しかった、こんなにギスギスしていなかった…と。


まァその言い分もよう判るんだが、現在のファンたちからしたら心外ではあろうな。悪い時にどっか行って調子よくなったら(なってないけど)帰ってくるようなヤツらにファン面してほしくないし、ましてや文句を言われる筋合いは無い、とね。


負け試合の後で選手のバスを取り囲んじゃう、ってな少々ヤりすぎなサポーターたちの前に出て行こうとするタツミ監督を、後藤さんは止める。この時点で説得の経過や論旨を全く出さず、ただ「何とか場を納めた」ということのみが語られたってことは、この問題しばらく続くんだろうな。


いろいろとモヤモヤ抱えたまま次の試合は因縁の不破監督。ここの三人のブラジル人選手の、どうにもフリーダムなお気楽ぶりが面白かった。ワシサッカーよう知らんけど、彼らのボール捌きの作画は丁寧だったのと違いますかね? お、すげえな、と思ってしまった。