神のみ/バクマン/ジャイキリ/イカ娘/輝きのタクト

神のみぞ知るセカイ・6話。困ったアイドル・かのんさん編その2。自分に目を向けない人に対して殊更に恐怖を抱くという彼女のオブセッションは、過去にあまりにも存在感がなく、周囲から認識してもらえなかったからってことらしい。がしかしそれだけではさそうではある。過去地味だった人が一躍脚光を浴びた場合、もうそれだけで充分満足ですよっちう方向になりそうだしな。以前のアイドルユニット時代に更なるギミックがありそうな感じですね。…そもそもあんな髪したお嬢さんが「あれ? アンタそこに居たっけ?」てな扱いを受けるかどうか、っちう根本はまあ、置いとこうか。武士の情けとして。


それにしても実にめんどくさいお人であり、寂しいからとか不安だからとか理由があるとは言え、それで他者に危害を加えるようなキャラはちょっとなあとか思ってたが…。あ、そういう、ね。もう半分メンタルヘルスが必要な状態にまで来てらっしゃる人だったのね。ヴィジュネル暗号のコード方陣の如く、一面に「ヨロシクネ」の文字で埋め尽くされたメールがなかなか怖い。そこまで突き抜けてらっしゃるのならば、何だか知らんがとにかくよし! 桂馬さんがちょっと彼女によろめき気味なのはちょっとノリ切れませんけれど、ね。


とまあいろいろあるものの、ここまで上手いこといってるような状況のようなのだが、桂馬さんはそう思っていない。案の定コンサート現場から消失してしまうかのんさん、そこで初めてエンディングが見えたとのたまう桂馬さんでした…で続く。おお、何となくここで終わるかと思ったが続きますか。…ちょっと引き伸ばしに苦労してる感じもするけどね。かのんさんの歌唱シーンでなんとか持たせてる、というか。まいいか、詳細は次回以降。


バクマン。・7話。第一作目のマンガは結局最終選考に残らなかったり、まあいろいろあるのだが、基本的にはサイコーと小豆の実にもどかしい純情絵巻のお話である。シュージンの「至近距離遠距離恋愛」っちう表現が言いえて妙。あーねー、でもこういうことでドキドキしたりワクワクしたりデケんのも今のうちだからな! な! …メルアドもらってでも使わない、っちうのが正解とはなかなか難しいねえ。周波数ぴったりとはこのことか、っちうね。


そして問題の新妻エイジさん。破竹の勢いにも程がある天才漫画家としてグイングイン頭角を現しつつある彼であり、編集長直々にお迎えのVIP体制である。いろいろと主人公たちとは真逆のタイプの彼だけど、さて…ここでの印象的な「自分の気に入らないマンガ一つを終わらせる権利」の要素だよな。この台詞によって「あ、エイジさんは主人公たちにとって厳しい壁となるワケだ」っちう第一印象を与えているのだけれど、しかし実際はそのラインからかなり外れたキャラとなってゆく、んだよね。ふうむ…。となるとこの台詞、この仕込みはどう生かしてゆくのだろう。忘れたころに地雷の如く行使されそうな感じがしますな。まさかに「あ、あれ初期のキャラが定まらなかった頃のハナシだからナシね」ってことァないでしょう…よね?


案外、大ヒットするもテメエ的に気に入らない自作に対して使われたりするかもなあ、と思ったりした。まいいや。


GIANT KILLING・8話。その場の勢いとは言え黒田はタツミ監督をボイコット状態である。杉江はそんな状況を横目に見つつ、村越とならぶもう一つのチームの柱・ドリさんにキーパーから見た俯瞰状況を訊く。ドリさん答えて言うに、若手は危なっかしいが機能していた、一方お前らヴェテラン組は「止まっている」と。攻めの心が欠けていると。


チーム一番の攻撃的な黒田さんたちが、実はビビりつつ守りに入っていた…というギミックはなかなか面白い。それは若手群の中で逡巡低迷している椿さんにも言えることであり、タツミさんはこれを称して「負けグセ」と言う。自分達は変わったつもりになっていただけ、ということを認めるのは辛いことだ。タツミさんがまず乗り越えるべき「敵」として設定したのは、この負けグセ…それまでの自分自身であった、というね。


憎まれ口叩きつつ、結局戻ってきちゃう黒田さんがかわいらしいやんね。これも一種のツンデレですかな。てことでまあ、選手たちの方は何とかまとまりつつある(いや、椿のスランプも村越の様子も心配だけどさ)のだが…さて、どーもサポータたちの動向はちと剣呑ではあるなあ。攻撃的若手と出戻りおっさんたち、こういうトコでも一波乱作ってきそうな作品だけにねえ。


侵略!イカ娘・6話。Aパートはヒーローショーの話。多分千鶴さんを乱入させるという要素から逆成してのことだろうけど、変身ヒーローとして「能面かぶった女の人、首から下はライダー風」というのはかなりアレだよな。そのデザインも何というか、この作品らしい「色気や欲の無さ」である。これで子供に結構人気があるようなのがスゲエっちゃスゲエ。…それと対極を成すような、司会のお姉さんのキャッチーなデザインがなんか浮いてましたねえ。ヤサグレ描写としてモク点けるのはやっぱ規制対象か。


Bパートは数学だけは天才的なイカちゃんの話。これは栄子さんがどんどんと崩壊してゆく様を賞玩するお話だな。キャラの設定といいリアクションといい、また藤村歩の演技といい、古き佳き昭和アニメっぽい雰囲気が栄子さんにはありますね。全体的にえろっちさを感じられないのはそういうとこもあるのかもしれない。


Cパートは渚さんと悟郎さんの持ち回り回。当事者の全員が全員どっかズレた認識を持って会話を続けているというシチュエーションはなんか「みつどもえ」っぽいテイスト。週チャンつながりっすな。途中の妄想くさい相関図とか、吉岡さんを髣髴とさせたり。…早苗さんが来たとこでオチにしちゃうあっさり加減はこの作品のテイストですけどね。…んで、次回はとうとう三バカ登場か。またヘンに豪華なキャスティングになったりしてんのと違うやろか?


STAR DRIVER 輝きのタクト・7話。眠れる王子様スガタさんを巡る敵と味方の物語。タクトさんが疎外感を感じているのは、スガタさんとワコさんの結びつきの強さを見たからだ。自分は要らない不純物、余計な夾雑物なのではないか…と思い悩む彼に対し、演劇部のサリナ部長は「もう遅いよね、だってあんたらすでに仲良くなっちゃったんだしね」と言う。不純物ではなく触媒。夾雑物ではなく新たな要素。硬直していたそれまでの状況に、何かエエコトありそうなカオしてやってきたのがタクトさん、あんたなんですよ…と。


ならばおーし、ってんで大活躍するタクトさんながら、スキ図られてキスされて操られ状態になっちゃうスガタさんでした、というね。あー、こうして外的要因から裏切っちゃうのか。あくまで彼の本質は王、正しくも強き理想的兄ちゃんなのですなあ。ラストシーケンスにおける端的な要素がキスと平手打ち、どちらも(ある意味)強力な官能的インパクトを持つ行為だ、ってのが対比としておもろおまんな。…さて、スガタさんとの対立は長期的なものとなるや否や。


演劇的な仕掛けが多いせいか、やはり役者の演技が面白い作品ではあるよね。例えば結構カマセっぽい役やってる千和さんって割と珍しかったかも。良い悪役演技じゃったと思います。あとおばあちゃんと言えば京田尚子だし。そしてどこか芯の強そうな、頼れそうな雰囲気のサリナ部長さん。サッパリした言葉遣いと語尾にその理由の一端があると思うんですが、…えーその、何となく荒川のニノさんを思い出したりしました。突然魚を口に突っ込んだりしないよね?