ヒーローマン

●アニメ観賞追加ね。HEROMAN・最終話。ゴゴールとの決戦である。ホンマ時間ギリッギリまでゴゴールとのバトルやってて「これって今日中に終わるのかな」とか思ってたが、それほどせせこましい感じもさせず、盛り上げやらシコミのバラシやら見せ場やらをちゃんとこなして終わってくれた。ついでに所在が謎だったミナミさんとこのお姉さん(とミナミさんたち)のオマケ付き。…ひょっとして半年後とかにまたやりますか? あるいは別メディアで続きとか? まァいくらでも後日談の作れそうな構造だし、何よりミナミのおっさんが元気そうでワシ個人的に嬉しかったです。それはどうでもいいか。


繰り返すけど、ようこの1話でまとめたものだ。おかげで少々余裕のない雰囲気はありましたがね。リナさんがジョーイさんに初めて合った時のことを語るシーンなど、とてもよいレイアウトのシーンも多かったけど、その辺を賞玩する暇があまりなかった感じ。まァツメコミ具合は別に今回だけのことじゃなくて、この作品の傾向の一つとも言えるんですが。


細かいこといくつか。■みんな揃ってのラストシーンは美しいが、チラッとでもウィル兄さんのカットを入れて欲しかった所存。■覚醒したジョーイ(これは中盤辺りの覚醒ヒーローマンと対になってんだろうな)のデザインは、往年の石森デザインのようなワサワサ髪になってて素直にカッチョ良かったです。■ゴゴールさんの最終形態や行動パターンって、何となく平成ガメラのレギオン思い出すねえ。にしても結局、第一クールの爆心地でゴゴールの種拾った「手」は誰だったのだろう。■最終話でやっと気付いたが、ジョーイお父んって玄田哲章だったのか。ひょっとすると声優謎のままのヒーローマンもそうなのか? よう判りません。


●総評。スタン・リー原作の日本制作アニメ、という「時代も進んだなあ」って印象の作品。とは言いつつリー御大、日本版スパイダーマンレオパルドンがお気に入りらしいのでそれほど意外な取り合わせでもなかったのかもしれない。ジャンルとしてはいわゆるアメコミ的ヒーローモノではなく、少年がお供のロボットと一緒に悪に立ち向かうという、どちらかといえば横山光輝っぽいお話である。それも今川版ジャイアントロボじゃよね。「ロボには命令するんじゃない、一緒に戦うんだ」とか、ロボに父親の要素がタップリ盛り込まれてるとことかね。まァそこら辺は「たまたま」の範囲内でしょうけれど。


架空ではないマジモンアメリカ、それも西海岸が舞台。ボンズのクリアで丁寧な作画状況も相俟って、とっても鮮やかな世界観が印象に残る。アメリカ作品だけに主人公がナード、ライバルがジョック、ヒロインはチアリーダー…とまあそんなテンプレ設定がよう似合いますわな。しかしそこはジャパニーズのアーニメィであり、ジョーイさんはただのナードではない。そこらのお嬢さんではとても太刀打ちできないほどかわいったらしい、まァめんどくさいのでぶっちゃて言えば男の娘さんだ。あざいといなあ実にあざとい。途中ちゃんと女装してんのがあざとい。これ、リー御大がそういう設定にしたのか? …日本側のアレンジだろうなあ。いや知らんけど。


閑話休題。基本的には清く正しいヒーローアニメであり、凝った展開やひねった設定といった要素は薄い。他の作品と比べて結構なテンポで進むお話といい、シンプルな魅力はあるんだけど…そうねえ、ワシのような汚れたおっさんが見る分にはちょっと「フック」が少なかったのは否めないな。あー、まあ、上記のジョーイきゅんのかわいらしさは割とデカいフックではあったか。うん。そうやね。じゃいいやこの項。何だそれ。


ま、とにかく、楽しく視聴できました。制作側が期待したほどには人気が出なかったようなのが残念ですがね。あーあと、あんだけOPでプッシュされたのにリー御大がちっとも活躍してくんなかったのも残念だ。てェか日本アニメでアイアンマンもやるんだっけ? そういうブームなの?