オオカミさん/ヒーローマン

オオカミさんと七人の仲間たち・11話。敵の首魁・羊飼さんとの決戦の巻。だが、その決着はキッチリとは付かない。状況を盛り返しここからリョウシさんたちのターンか? ってとこで頭取の登場、場を預かって去ってゆく。…こういう「そこまで」コールが有効なカタチでのバトルだったり、大人の介入はルール違反だと認識してたり、どうも茶番くさい雰囲気なのは意図的なんだろうな。この世界の登場人物はあくまで「御伽話の登場人物」のように、ってことだ。


そこら辺は各個撃破されそうになってる面々の描写でも感じられる。割とあっけなく走り逃げることができたり、浦島さんへの攻撃が女責めだったり、おつうさんへの攻撃はメイド服からナース服への強制着替えだったり、ね。こうなるとこの羊飼さんの存在/行動も(本人の意図とは別にして)何か上部構造からわざと生かして配置されてる障害物、てな感じもするな。今んとこバックボーンのない典型的悪人としてのラベルしか与えられていない羊飼さんだけど、個人的にはこの先も象徴的な悪のままであってほしい気はする。過去がどうの境遇がどうの、ってのは悪者として二流よ。知らんけど。


さて、一連のエピソードのケリをつけるのは次回以降のようで…ってもう次は最終回ですけどね。ひょっとして羊飼さんは今後もボス位置に居座り続けたりするのだろうか。頭取の報復がどんなもんか、ってのも興味ありますけどね。


クライマックス近辺、特に羊飼さんの脱力と瞬速のメリハリが利いたバトル作画は、ヘンテコかつスタイリッシュな外形の取り方でカッチョ良かったなあ。んで何気なくスタッフ表記見てたら原画に「ウクレレ善似郎」という名前あり。いや「あり」つってこれ誰よ? まあ多分偽名か変名だろうなと検索してみたら、なんか知らん結構な作画仕事してるみたいじゃないですか。主にナルトとかで気を吐いてらっしゃるようで。…マジで一体どういうお方なんでしょうねえ。


●HEROMAN・25話。どうやらラス前のようで、復活のゴゴールとの決戦である。いつものサポートメンツとともに再生ウィルさんも加わり、一つ一つ障害を排除して敵ゴゴールのコアに会心の一撃…とはいかないのはお約束。「私の弱点はそこではないわ!」ちうてヒーローマンを貫くゴゴールの巨大楔。そしてここに、ヒーローマン死す、だ。…まァ復活するのは明らかだってのはともかく、「死す」と表現するに相応しいイヴェントですよな。


てことで、最終決戦前の大きな盛り上げ回ですな。作画も贅沢だしお約束展開は燃えるし、でいいんだけど、贅沢言うならもちょっとだけ意外性で攻めてくれても良かったかな…とかね。無論メイン視聴者層を考えるとこれで良いのでしょうけれど。


画面は充分カッチョエエですよ? ここぞって場面でキャストオフするヒーローマンも然りながら、コート脱いだウィルさんの改造ダークヒーロー姿がかなりイケてますよな。何故か土の中埋まってて事前活躍が見られなかったのは残念。途中ちょこっと出てきてすぐ死んじゃった犬スクラッグの扱いを見るだに、どうも当初予定よりも短縮されたっぽい感じだし、ホンマはもっと活躍シーンがあったんじゃなかろうか。折角あんなおいしい設定なのにねえ。