サマーウォーズ

サマーウォーズ、観了。評判どおり面白い…っちうかこれ、デジモンウォーゲームのリメイク色が非常に濃いな。んでもってラストシーケンスも(実写映画の方の、でもあるな)ウォーゲームへのオマージュっすねえ。


硬質さとヤラコさ・理知性と勢い、各々のバランスが相変わらずよろしい。地方の大家族旧家を舞台にしたネットディザスター映画、っちう取り合わせの段階でおもろいわな(先述のデジモン映画もそうだっけ)。田舎家屋にずんずんとデカブツガジェットが集まってくるシーケンスもそうだけど、なんかこう、見た目の対比がすげえ楽しいシーンが多くてよし。発電用に漁船いっこ持ってきて「おっと、水冷だっけ」つって庭のお池に放り込むとこはかなりツボだった。「豪快」ということの表現としてこれほど効果的なヤリカタもそうそうあるまいて。


ラストの衛星墜落が素晴らしい。ネットの大災害がリアルワールドとリンクしてエライことになるという一連の流れの総決算、という意味もあるけれど、まずあの絵だよ絵。至近距離に宇宙から衛星が落っこってきて大爆発よ。一瞬で拡散する土煙に衝撃波の襲来よ。もう夢のようだ、ああ素晴らしい。…すんませんね、個人的な快感の話でさ。でももう、あの非常に感覚的なインパクトを提供された時点でワシ、もう降参ですわ。


作画アニメとしても充実のボリュームだったんですが、ネット上のアヴァターバトルはそのコア部分をほぼ手描きでやる、っちう判断なのが細田監督らしいっすよね。監督、こういうトコでは元アニメータの血が騒ぐやろしなあ。しかしあのアバンの対戦絵とか、あのタイミングとデフォルメとパースをマジで3D化されちゃうような時代も来たりするんだろうなあ。そのうち。


キャスティングは…主役のお二人さんは劇場映画らしい新鮮さがあるのはヨシとして、脇キャラたちがドヴェテラン声優から俳優畑からもう色々なのが面白ェ。永井一郎や中村正や玉川紗己子辺りがあの中にフツーに入り込んでるってのがよろしいねえ。おばあちゃん役の富司純子は流石の大貫禄、この人に「できる!」と言われちゃやらざるを得ないような人間性がありました。


てことで満足満足だったです。けどアレだな、番組前のアオリナレーションの「夏の新定番」っちう文言はいかにもTV屋さんっぽい微妙なヤらしさがあるな。実際そーなりそうな感じも…んー、するかしら。どうかしら。


追記。ホンマは「ちょっと性急なところや、もうちょっとツッコんだ描写があってもな、ってなところがあった」という意味の文章も書いてたんだけど、後で調べたら結構カットされてたらしかったので上記文章もカット。折角だしオリジナルの尺で、せめて23:24まで放送してくれても良かったのにねえ。「新定番」とか言うくらいなら、ねえ。