バカテス/三国演義/ハガレン

バカとテストと召喚獣・最終話。試験戦争延長戦は一騎打ちである。割と小細工も何もできずに当たって砕けろ状態のアキヒサさんであるが、それでも相手にすがりつく火事場のクソ力。はたして努力は報われるのだろうか、っちうね。…うーん、いかにもシリーズのシメっぽい構成ではあるのだけれど、ワシ個人からするとちょっと「いかにも」過ぎるかな、と思ったり。この作品を楽しんでみていた理由とは、こういうマジ話っぽいとこじゃなかったんだろうな、ワシにとって。


ま、それは上記の通り個人的な意見。客観的には、誰もケナさない(ある意味では貶されまくりだけど)しほのぼのっぽいし、でちゃんとした風呂敷のたたみ方だったとは思います。んー、そんなとこですか。


●総評。明るくポップな画面設計と軽くて判りやすいギャグの連打、で構成された学園コメディ。タイトルにある単語のうち、テストと召喚獣の二つに関しては…んー、どうも食い足りない感覚は残ったな。まァテスト云々に関してはそないアニメ向きの要素とも思えない(文章メディアの方がシックリ来るだろう)けどね。アイキャッチで毎度出てくるバカテストネタ、あれが原作にあった要素でしょうかね。


召喚バトルもなー。基本的に数値の高い方が無条件で勝つという戦術性に乏しいモノなので、逆転要素やらドラマチックなノリやらを作りづらい。ラスト近辺はそれでもちゃんとバトル要素が濃厚に(シリアス要素も)なってきてたのだけれど、んー…まあ、無きゃ無いで代替可能ですよ、って感じはしたなあ。そこら辺の細かいゲーム内容に凝るタイプの作品じゃない、ってのはそうなんだろうけれどさ。


てことで残りの「バカ」の要素ですけどね。これはまあ、ちゃんとバカやってたような気がするのでなんかヨシ。かわいらしいキャラデザインもあってそんなに先鋭化されたギャグたちだとは思わなかったが、一連の軽いノリは嫌いじゃない。…んでまあ、貧乏ネタはあっても住環境は完璧に保障されてたり、登場人物たちにどこか真剣味が抜けていたり、そういう「ごっこ遊び」っぽい雰囲気は多分、意図されたものなのだろうな。深刻なことを描く作品じゃないのですよ、っちうね。そうなるとバーチャルでアヴァターを召喚しての戦闘ってのもそのライン上にある要素ってことか。


てことで、そういう「バカ」部分を楽しむというヴェクトルで楽しんでたのですが、なりゃこそラスト近辺のちょいマジ具合はいまひとつ乗り切れなかったかな、個人的に。上で「ちょっと食い足りない」と書いたけど、それがそのままワタシの望むところだったのであり、あるいはひょっとして作品の目指した所だった…のかもしれません。アレコレ難癖つけるより、だらっと視聴するのが正しい付き合い方の作品、てとこかしらん。


●新番組・最強武将伝 三国演義。詳細は知らず、今時どの三国志をアニメ化したのかなあ、ととりあえず録画していたのだけれど、…ははあ、これは何かの原作付じゃなくてオリジナルなのね。それも本場チャイニーズでの作品のようだ。


見た目の傾向はちょいと日本のアニメっぽい風情もあるが、何というか、雰囲気が確かに独特ですな。細かい演出や作画の付け方など、こういう状況ならこうするだろうな、というワシ側の無意識からしばしば外れてってるような感じ。何にせよその作品ならではの味ってのは重要であり、うーむ…これはちょっと面白いや。いや、向こうさんのアニメ文化としては普通なのかも知れんがね。義兄弟三人が各々得物持って見得を切るシーン、ハッタリが効いててなかなかヨロシイ。京劇テイストなのかヒーローモノなのか。


ボイスキャストはいわゆる声優さんはほぼ居らず、基本的に実写や芝居畑の人のようだ。主要登場人物が出てくるとテロップでキャラ名と演者が出てくるとか、この辺の演出も昨今のアニメ作品と言うよりはドラマっぽい感じ。上記の画面の様子と相俟っていささか違和感もあったりするが、ま、これも味っちゃ味やんな。


てことで、こういう長いお話にダラリとお付き合いしてゆくのも楽しいだろし、また作品的も興味深い要素が多いんだけど…んー、ちょっとワシ的なフックにもうちょっと乏しいかなあ。次回以降見るかどうかは保留。こんな作品こそそこそこヒットしてくれるとなんか嬉しいんだけどね。


鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST・51話。あっちこっちで戦いの火種の巻。それはもうホンマにあちこちで、バトル描写があるとこだけでも、ニーサンたちVS人形ゾンビの大群、アームストロングズVSスロウス、マスタング御一統VS正規軍、チャイナ娘VSエンヴィー、アルさんVSプライド/キンブリー組…とまあ、結構なマルチ視点ではある。それでもそない散漫な印象を感じなかったのは、描写のウェイトにある程度メリハリがあるからでしょうかな。台詞主体で動きは(他との比較で言えば)少なめなアルさんパートが最後にあって、印象的になっている…とかね。エエ加減なこと言いましたよハイ。


…いやでも確かに、土煙の中から目ェ光らせつつノシ歩いてくる巨きな鎧男…っちう絵面はシメっぽかったっすよ。マッチョでしたよ。釘宮声だけど、マッチョ。


そこそこ大変なことになってるのではあるが、市井の人々はまだちょっとヘンだな程度にしか感じていない。作品の傾向からしてこのままスカすとは思えないので(B級的にハデにヤる機会あらば見逃さない、というね)、いずれは市民レヴェルまで阿鼻叫喚となる…つまり今はまだ物語的クライマックス段階ではない、っちうこっちゃな。引っ張んなあ。


毎度なんかかんか見せ場を作ってる本作ですが、今回はエンヴィー戦の作画が目を引いたなあ。横位置から対多数演武を見せるお嬢さんもェかったし、気持ち良く(=気持ち悪く)メタモルフォーゼするエンヴィーの絵もよし。冒頭/エドさんパートのゾンビ映画的シーケンスもおもろかったけどね。ちょっとキレイなゾンビ映画