ソラノヲト/バカテス/レールガン/ハガレン

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト・11話。雪の進軍氷を踏んで、小隊捕虜を得るの巻。全く言葉の通じない敵の女負傷兵を助けてしまうカナタさんたち。このめんどくさい情勢下、彼女の存在は頭痛の種である。そら普通ならHQに引き渡すなり何なりするとこだろうが、このお嬢さん小隊にそういう選択肢はないだろうしなあ…と思ってたらなんか、絵に描いて額に入れたような悪役顔の将校さんが来て問答無用に家捜しされてますよ? ちうかなんでこの人、常に笑ってんの? 兵隊さんと言うよりはただのヤクザに見えますが?


ノエルさんのトラウマとなった過去、作品序盤に出てきた「天使の骨」、という何やら穏やかでない伏線を入れつつ、極めつけにローマ兵の大規模進軍という事態が明らかとなる。こうなるとアレか? ある問題を霧消させるには更に大きな問題を作ればよい、の法則か? あるいはここを離れたリオ先輩が、遅ればせながらの手を差し伸べてくるという流れもあるが…この作品だけにもっとダウナーな結末を見る可能性あるだろうなあ。言語/あるいは組織社会の断絶と「響きあう音」、どちらに天秤が傾くか…というとこでしょうか。


話の通じない敵兵の人。ローマ軍というラベルなのに言語はどうもドイツっぽいね。あえて字幕も何も出さないってことで、ワシら視聴者はカナタさんと同じ立場で物語を見ることになる。ま、頑なに繰り返してる一連の文章は「名前・階級・認識番号、その他は喋らん」ってとこでしょうけどね。捕虜だしね。あと、すったりもんだりするシーンは見てみたかったです。ゼヒ。


バカとテストと召喚獣・11話。お、ラスト近いので盛り上げシーケンスっぽいですな。てことで、作品序盤に出てきたっきり音沙汰の無かったクラス対抗の試験戦争勃発である。…二つのバトルを一気に見せちゃう詰め込みぶりはお得だとも言えるし、ちょいとせせこましいとも言えるけどね。相変わらずゲーム的にカッチリと整理された画面構成も相俟って、「勉強」という単語から想像されるような生々しさが希薄だ、ってのはエエトコではあると思います。そういうのをじっくり見せるような作品では、ない。


でもこの圧縮展開のおかげで、Bクラス相手にちょいとしたヒーロー的覚悟を見せるアキヒサさんの台詞が、無駄が無くて妙にかっこよく見えたりしてましたな。…ここでもっとタメとケレンを盛り込んでぐいぐい見せたらエエのになあ、と思っちゃうワシは多分もう感性が古い。折角Bクラスのリーダーが判りやすい悪役性格なんだし、もっと生かしてあげても…とかね、古いわね。


召喚バトル自体はやっぱり点数の量でカタが付いちゃうんだけど、「嫉妬の炎で負けのペナルティが怖くない」とか「バトルフィールドを管理する先生の行動をイジる」とか、いろいろと工夫してはるのは判りますなあ。あと、45歳の結婚願望オールドミス先生はちょっと見てみたかった。アニメだし、充分アリなキャラなんじゃねーの? とか思っちゃった。うん。


とある科学の超電磁砲・最終話。ごんごんと暴走する大原テレスティーナさんと不利な戦いを繰り広げるも、仲間の力添えと己の覚悟でもって相手を捻じ伏せるミコトさん。田中敦子姐さんの願いも叶い、かなりスッキリとした余韻を残してシメる。ん、こういう軽いテイストの作り方は悪くない。テレスティーナさんが最後までテメエ語りや回想等での「改悛」をせず、ある意味記号的な悪役として退場してったのも個人的には良。この作品らしい「割り切ったキャラ」とも言えるけどね。でもまあ、何度か出てきたマーブルチョコの色当てネタでシメてくれたらちょっとおもろかったかな、という気もしたけど。


高速道路上でのアクションシーンは、ちょっと前のハリウッド映画っぽいシチュでんな。大原姐さんのどういう戦術的利点があるのかイマイチ判んない巨大ロボも純粋にカッコ良かったし、「クロコ!」「お姉さま!」っちうキメシーン以降の熱血なバトル手順もよろしかった。ラスト近辺ではちっとも言ってること聞いてもらえてない大原姐さんの小者縮退ぶりも、お約束でよし。


●総評。ワシ「インデックス」の方は早々に視聴リタイアしてまして、それはド頻出する専門用語やら言わずもがなの状況説明台詞やら、あの辺の歯応えにオッサンとしてめんどくささが先に立っちゃったからなんですが、こっちの方はスピンオフという作品の性格もあってか、特殊な条件設定も「まァ皆さんある程度知ってまっしゃろ?」的なザックリ感があってオッサンとして快適だったのですよ。てことで、かなりストレス無く見ることができましたわ。


こっちの主役であるミコトさんは、多分これは本家でサブであったことからの設定的帰結なんでしょうけれど、実に判りやすく王道な一本気キャラになってて逆に主人公っぽい。ヤられたらヤり返すが脳筋でもなく反省もする、という行動パターンが素直に物語的なカタルシスに繋がってってんのな。


シリーズ構成的には少々ユルい所があって、特に中盤近辺ののったりしたテンポは以前のワシならマイナス点を付けたかも知れないのだけれど…んー、そうねえ、でもねえ、なんかこのトシになるとこういう詰め込み方の甘さはなんか、快適でもあるわ。余裕と隙間があってこその全体像というのも充分アリだと思うし、せせこましいと気詰まりな面もあるし。ダレ場、エエやんね。


作画的には一言、手堅い! キャラの風情もアクションの付け方も質が高いし、イヤミがない。あの絵面だけで毎回の牽引力になってたのはエライもんだと思いますよ。あとは…そうねえ、やっぱ白黒さん役の新井里美さんかなあ。ワシ実はこの作品でそれと認識した程度の俄なんですが、後で野球娘のアンナ監督だったと知ってへえ、と思ったりね。とにかく好き放題演じ放題の奔放さが楽しくて、このお嬢さんのスットコぶりを見るのもこの作品の楽しみの一つとなってましたよ。…てことで、うーん、なかなか。しっかり堪能させて頂きました。楽しかったっすわ。


鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST・49話。グラトニーの力を得て更に強大となったプライド。主人公たち複数相手を余力をもってあしらい、そして圧倒する。人外のグリードからしてもバケモノである彼であるが…しかし、お父んの人も強いのでありましてね、という。


てことで、光の届かない巨大土饅頭にアルと二人で幽閉の身となったプライドさん、の巻。生きてるってことはまだまだ危険度は高いの(≒物語上の役割がありそげ)だが、とりあえずはゲームから追放状態っすね。ここでプライドの「人間」観が出てくるのだが、半ば話が通じそうで半ば冷酷な計算の思想で、どっちにもイケそうな微妙さがよろしいな。お話的にも便利っぽい。しかしおっさんたちも言ってたが、自分をエサとしてあのプライドと水入らずで二人きりになるとは、アルさんも勇気の人ではありますよ。登場人物中でもかなり怖い目に遭わされた人だってェのにね。


とまあ、ちょっと人間レベルではない規格外のバトルな展開がドカドカ出てきておもろかったっす。次回はまた別種の「大きな戦い」である戦争ですか。戦争っちうか、ハタ目から見たら内紛でしょうけどね。しかし約束の日の朝だってのに、ババーンというタメも出る間もなく事件が発生するのだなあ。この盛り込み具合は一種のサーヴィスでもあろうけれど。