ソラノヲト/バカテス

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト・4話。機械大好きノエルさんとラッパ大好きカナタさん、はじめてのおつかい話。いや「はじめて」はカナタさんの方だけですけどね。冷静無表情とドタバタ感激娘、割と対照的な彼女たちではあるがそれだけに共通部分もある。…歩行戦車とラッパ、という対比もおもろいっすな。冒頭の二人のカットバックによる「困り方」が判りやすくもあざとくてよろしかった。


そしてここで出てきた「彼女たちが軍人である」ということの意味、意義。繊細居士…もとい戦災孤児は兵隊を嫌い、戦争が市民の生活に及ぼす影響で素朴なガラス工房は軍需工場へと変わる。ラッパも突撃に使われたりするが、しかしラッパに罪はない。「ガラスの声を聞け、ガラスがどういう形になりたいのかを知れ」という工房親方の言葉は、そのままカナタさんのブレイクスルーとなる。ガラス(あるいはラッパ)の意思は自分の意思と重なって、そのまま一つの表出となるワケだ。…でも「戦車だってきっと同じよ!」はどーかなー! そこに至るまでには色々と険しい障害が多いぞー!


冒頭からの曇り空は兵隊嫌いの男の子のシーンで涙雨となり、カナタさんの朝のラッパで晴れてゆく。心象風景や舞台装置としての天候設定なんだけど、ワシは個人的に「曇り空の街並み」という妙に生活観のある風景が印象的だったりしてね。エエやん、物語的な意味とか抜きでも「雨降りそうな状態の空気感」てさ。


バカとテストと召喚獣・4話。バカのアキヒサさんをめぐってのお弁当攻略戦。ソレらしい理由が希薄なままモッテモテ状態、ヒロインたち(+モーホー1名)からの弁当攻勢を受けるアキヒサさんは正しく「ヘタレ的主役」なのであるが、こういう場合の常道としてなかなか弁当にはありつけないのである。ま、最終的にはミナミさんのツンデレ状態ともに何とかなるんですけどね。ふむ、今回はミナミさんの行動と心理の描写が多く、彼女が主役の回ってとこですか。


タイトルにある三つの要素のうち「バカ」がメイン…ちうかその他二つはほとんど出てこなかった回なのですが、なんかこれはこれで面白いような気がするってのはいささかどんなもんか。いやまあ、このテの作品で、急に重苦しくなったり邪悪なラスボスが出てきたり世界の真実が明かされたり…等々が発生しないのは割とキライじゃない。こんなお気楽にダラダラと見られるアニメってのも必要だと思うしねえ。…ま、それ以上の娯楽性や意外性があるともっとエエのは確かなんですが。


横位置フィックスで芝居を続けたり水平と垂直に特化した画面構成だったり、と様式的な小技が今までにもまして目立ってて、この作品のどこかゲームっぽい(マジになってもしょうがない)雰囲気によく合ってたかな。…あとまあ、成り行きの言い訳として「プラモ作ってた」のモチーフが、ティーガーIIのポルシェ砲塔ってのは…うんまあ、割とメジャーかな。どうもワシ、ティーガーIIってノッペリしててイマイチ食指が動かないんだよなってそんなことは心底どうでもよろしい。