レールガン/ハガレン

とある科学の超電磁砲・16話。先輩メガネさんと黒妻さんの話・一旦の完結編である。割と達観していていろんな意味で「強い」黒妻さんの一方、過去に現在にと揺れたり拘泥したりしている先輩さんは実に心許ない。ミコトさんは、そういうレイヤーの積層性がよく「判らない」。単純な世界と価値観に生きてきたミコトさんだけれど、しかし今は良いサポートキャラが周囲に居るのでね。


一見するとタチ…いやこの表現はアカンな、つまり主導的なのがミコトさん/サブの暴走的子分キャラがクロコさん、のように見えて実はそうでもないお二人さん。前にも言うたが、クロコさんは基本的に落ち着いた「引き」のキャラなのだ。ただミコトお姉さまが絡んでくるとタガが外れちゃうよってにねェ…ってこった。その関係性がよう見える回だったように思う。


過去は過去、現在の(=自分がよく知っている)先輩とは関係ないはずなのに、とモヤモヤしているミコトさんに対し、そういう積み重ねがあるからこそ現在もある…と言うウイハルさんたち。そうね、現在の立ち位置を認めるならばその土台を無視することはナンセンスだし、また逆に棄てきれないほど過去が大事ならばそれと地続きな現在ともシッカリ対峙すべきだ。ま、それがなかなか上手くいかないので適当に折り合いをつけてゆかねばならんのでしょうけれどね。


モノトーンっぽい過去回想シーン、黒妻さんと目が合った時点でゆっくりと彼の上に色が乗ってゆく…という演出がなんか繊細でよろしかった。台詞にあった「輝いて見えた」というのの表現でしょうけれど、それに加えてこの瞬間に黒妻さんが「意識の世界」に入ってきたってな風情でもあるな。…うーん、これもデジタル移行の恩恵ではあるなあ。昔のセル使ったアニメではなかなか難しい手法じゃよね。


鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST・41話。今後の脅威としてキンブリーを狙撃排除しようとするマイルズに、エド兄さんは強く反撥する。マイルズはそれを甘さだと言うも、「不殺」を選んだニーサンに対して実はそれほどの悪感情は無い。そう、それは実に険しい茨の道であるが故に。


BパートのVSキンブリー戦で、早速その甘さを思い知らされることになるエド兄さん。体躯を鉄骨に貫かれ、重症どころか瀕死の瀬戸際の中、しかし彼は他ならぬその甘さ…不殺によって命を拾うこととなる。…フィクション故のご都合主義、費やした労力と意思こそは報われる…ってとこであるが、「ご都合主義は作劇の手段にあらず、描くべき目的/主題なるべし」がワシの信条であるだけに、これは実にエエ「入れ合わせ」であると思いました。鉄骨をハラから引っこ抜くゴッツいシーンは、不殺の厳しさと恩寵の双方がドラマチックに描かれた名シーンだったっすよ。


一方の脱走でこぼこパーティたち。ゴタゴタしつつ廃坑を抜けてアルと合流する御一統ですが、「坑道においては」とても役立つヨキさんとか雪道を踏み越え先導するキメラたちとか、役割分担と話の展開が何となくテーブルトークっぽい…ちうかモリア坑道とか思い出して、なんかニヤけたりしました。ダイナマイトのシコミとかもね。