クイーンズブレイド/DTB/にゃんこい/ささめきこと

クイーンズブレイド 玉座を継ぐ者・最終話。レイナさんは女王に勝つ。んでもってそのあと満を持して出現した石田彰さんは、まるでグラディウスシリーズの歴代ラスボスの如き強さ(=最弱)でアッサリ退場するのでした、というシメ。…んー…ちょっとなー、メリハリも少ないしダイジェストにも過ぎるし、何より画面状況が割と控え目だし、どうも画面内容の不備がチラチラ見えたりしたし。これは単純に制作の余裕がおっつかなくなっちゃってたのかな。


それを勘案しても、最終話のバトル構成としては平板だったなあ。「女王はこんなに強いのか!」とクローデット姉さんに言われても、いやあ…そうですか? と反応するしかないし。まそれでも、今まで闘ってきた人たちの技を取り込んで闘う、ってな北斗神拳伝承者みたいなレイナさんの主人公ぶりとか、ラスボスを皆さんの力で退けるとか、そういう「記号」はあったのですけどね。ちょっとヘタレたラストになったなあ。


総評。それまで登場したキャラたちに加えて新たなキャラも盛り込んで、ほうら天下一武闘会でございますよ…となれば面白かろうと思ったのだけれど、どうもメリハリの感じられない全体構成になっててちと残念であった。相変わらずのステキなちちしりジャミングは(ごく個人的に)楽しかったのですが、こんなもん万人にオススメの要素として語るワケにもいかんし、そもそも地上波だけの特権だし。特権? 特権なの?


などとまあぐだぐだ述べてますが、半裸(あるいは全裸)のお嬢さんたちがチャンチャンバラバラ砂埃しますよー、っちうコンセプトの作品にアレコレ言うのはヤボなのでもあろう。問題は前シーズンがそれに留まらず、「未熟だが意気は高い主人公の挫折と成長ファンタジー」として普通に楽しめる作品だったのになー…っちう所でしょうねえ。比較しちゃうと前シーズンの方が、って方は多いのではあるまいか。


少々オープンエンド気味なシメ方だし、上手くいけば続編もアリっすよっちう目配せなのでしょうけれど、さてどんなもんだろう。まあもしまた地上波でやるなら、見ちゃうだろうな。トシ取って酔狂メーターが下がってきてるけど、ここまで付き合った惰性…もといよしみもありやすしね。


あ、でも、恥ずかしいポーズ! のメルファさんはすごく秀逸なデザインコンセプトであってこれは棄てがたいです。いやあようこんなバカえろいこと編み出したものだ。良い。


DARKER THAN BLACK -流星の双子-・最終話。スオウさんはシオンさんと再会する。そしてシオンさんに尋ねられる…月は出ているか、とな! …ってことで、ワヤクチャな現実世界はワヤクチャなまま収拾つかず。一方スオウさんはシオンさんの作り出した「コピー」としての情報世界に生きることとなる。幸せであり満たされており、しかし何かが欠けている世界。スオウさんは今、その欠けた何かを待ち続けている。


前シーズンと呼応するかのように、あえて語らない部分を多く残したシメ方ですな。毎度ながらナナメ視聴のワシにはしっかりさらい切れないところも多かったと思うのだが、それを差っ引いてもちと集積度合いが高過ぎたかな、って印象。結局災厄ってのがどの程度で、また新生「組織」はそれに対しどう闘うのか、ってのもよう判らんしね。…ま、オープンエンドはOVAとかを睨んだ結果ってとこでしょうか。


土壇場において段階的に記憶を失ってゆくスオウさんのシーンはちょいとキたなあ。記憶は人、人は感情。レプリカントの如き人工記憶かつ実に僅かな量であっても、それを半自覚的に失ってゆく…それも視聴者とある意味共有した記憶を…ってのは辛かろう。そら目のハイライトも消えようというものだ。…ポツリとつぶやいた「うそ」っちう台詞は、仕込みの効果もあってなかなかに万感。


総評。岡村監督の持ち味ってのは、異形的に突出した変化球でもなくガッツリ脇目も振らぬ王道でもなく、どっか醒めたような職人的中庸さだなあと思っている。今作はかなりそんな監督テイストが出てたような気がする。キャッチーなキャラ設定と地に足ついた舞台設定が同居し、安易なバトル連鎖展開を避けるような込み入った話の流れにしつつしかしガジェット満載のディテイル過剰な風情にはしない。こんなトッカカリの小ささで視聴者の鼻面引き回すには、かなりしっかりとした下準備とバランス感覚が必要でしょうて。全編に渡って、そんな目配り気配りが効いた良作だったと思う。


しかしいかんせん、ちょいとテンポの取り方にギクシャクがあったのは否めないかな、とも思いますね。前シーズンはそれでも「ヘイさんとその仲間たちが依頼受けてあれやこれやする」っちう繰り返しパターン構造があったので、その部分で視聴のフックが見えやすかったのだけれど、今シーズンはミステリ展開が主導でしたからねえ。特に中盤は「次はどうなる?」っちう興味を抱かせるようなテンポとしては、少し緩かったかもしれない。


でもま、人気シリーズの第二期という条件での最大限なサーヴィスが感じられるエエアニメだったと思いますぜ。にしても、能力者アニメの主人公として「胸から対物ライフル練成するスナイパー」ってのはどっから出てきたアイデアなのやら。うん、こういうちょっと妙な異物感はそこここにあってこれも良かったな。あともう一シーズン、っちうのは難しいかも知れんが、もう少し見てみたいな、ってとこですよ。


にゃんこい・最終話。あ、こっちはアイキャッチで「2期は無い、あそうですか」とか言われちゃった。はははのは。てことで、いよいよ呪いが耳にまで上ったコーサカさんがツインテ双子の手を借りつつ悪戦苦闘する話、でシメである。何とか上手くいきかけたところで小林ゆうの人が台無しにしちゃう、っちうお約束で何故か安心した。そうでなくっちゃ! 何が。


新年迎えて初詣でお願いするシーンがケツにあると、何故か「ああ、シメやなあ」って気になるのもお約束。ま、こいつらこのままなんぼでもドタバタしてくんやろなあ、という雰囲気は悪くないっすかね。しかしあの…猫たちにかこまれたカエデさんのシーン、感動的というよりはちょっと怖いぞ。包囲攻撃の直前みたいだぞ。


総評。まァ言ってしまえばオーソドックスなラブコメなんだけど、主人公に猫の呪いというヘンテコな要素を付与する事で視点が多様化してる、ってな感じの作品。個人的には、後半少々その猫要素が薄れてきたことは残念ではあった。そういう変化球っぽい所にフックを感じたワシですからねえ。…正味、キャラやシチュの設定はかなりテンプレート気味でして、そこら辺に強烈な有引力は見いだしにくい。いやそれがダメってんじゃなくて、当然テンプレ自体もキライじゃないし、そも猫要素を際立たせる為にはあまりその他の所でハッチャけるワケにもいかんだろうしね。


開幕とトリを取らせてもらったものの、メインヒロインのカエデさんが一番薄味だったのはまあ、しょうがないかな。脇キャラの方が好き勝手できて魅力的になるってのはよくあることですしね。幼馴染ツンデレ一本道なカナコさんは、その立ち位置からして報われそうもないのが余計に魅力的であるし、ただのえろ色物キャラと化してしまった郵便姉さんもそれはそれでおいしいし。ワシはどうにも扱いづらい小林ゆうの人が一番です。好きです。ぜひそばに居て欲しくないですけど。


作画の乱れもほとんど無く、たまにもんすご動き回ることもあったりして、見た目にも楽しいシリーズではあった。てことでまあ、そんなとこで。


ささめきこと・12話。学校クエスツであーる。たまたま手に取った図書室の本に書かれていた謎の文言、そこから連綿と続くお使いイヴェントの連鎖連鎖。判りやすくも心地よい、お宝探しアトラクション話ですなあ。結局のところ「お宝」に実体はあらず、探索の過程こそがその本来なのですよ…というオチも含めて、ようまとまった定番掌編だったと思います。雨の中嬉々として走り回る男子どもを「ああいうところは羨ましい」と評する序盤のハチスカさんの台詞まで軽い伏線として機能している、みたいなカッチリさが心地よい。


夏休み中の一日登校日という、学生さん的にちょいと非日常なセッティングをもってきたのも上手いと思う。暑い教室、冷え過ぎの職員室、夏の夕立で暗くなる午後…っちう情景描写の丁寧さが際立っていて、ごくごく他愛ないエピソードなのに「あ、こら確かにコイツらにとっては特別の日だ」と感じさせるのに抜かりおまへん。職員室の涼しさを表現するのに、一瞬のクーラーの絵はともかく、コーヒーカップをチラと見せるのがまた、小手先ィことでよろしいな。


…あと、こんなけ女子だらけの中にあって、一番女の子してるのがアケミヤさんだってのがなかなか。「男と見込んで!」で奮発しちゃうとこなんざ、かわい過ぎるぜよ。げへへ。