マジンガー/ハガレン

真マジンガー 衝撃!Z編・最終話。お互い総力戦の様相を呈しつつぶつかり合う両陣営。先週に引き続き無茶で力技で熱い展開の連続であり、ラストのロケットパンチ百烈拳に至って発想も絵面もバカピークとなる。そして最後のドンデン返し、実は世界を護るために動いていたDr.ヘル…という流れまで定番でよろしい、のだが。


いやあ、投げっ放しましたなあ。ワシ普通に「ほほうこれは良いラスボス展開、しかし残り僅かのこの状況でどう決着つけるのかな」と次回を期待してしまっていた。…やろうと思えばもっと一件落着的な、そしてその背後にうごめく更なる強敵が的な、そんな風にシメることもできたハズ。そこをまあ、ここまで大仰なぶった切りテイストで終らせてしまうのはたいした心臓である。今川監督らしいとも言えるし、それ以上に濃厚なケン・イシカワテイストを(多分ワシが勝手に)感じてしまいましたよ。


総評。今川監督+マジンガーというコラボから期待されるシロモノをほぼ必要充分に含んでいる作品ではなかったかな、と思う。もう少しヤな言い方をすれば「期待をはるかに超えたとこは少なかった」ということでもあるけど、まあそれは高望みに過ぎるか。その期待ってのは上記の投げっ放しドイツ人風情もそうなのだが、まァ…苦笑を含みの「期待」ではあったよな。別にこの2クールで上手いことシメてくれてもワシは構わんかったのですよ? ん?


とまあ、そんな今川アニメ。あと特筆すべきはやっぱ、あしゅら男爵の存在でしょうねえ。悲哀と悪意とコメディ気質と変態性を併せ持ち、常に作品の主流に居続けたキャラ。彼の…彼女の? 彼らの? まいいや。あしゅらさんの流転の物語は実に魅力的で、これまた監督らしい名サブキャラとなっていたなあ。最後の最後、キッチリと裏切って敵対してくれる悪役魂にかなり感動したりした。でも山像かおり姐さんの単独演技をもっと聞きたかった、ってとこも正直アリです。ええ。


よう判らんがこの続編があるとして、どうも普通に地上波じゃやってくれないような気がするのだが(映画か? OVAか? ネット配信?)、どうなのかね。うーん、ま、何となく楽しみにでもしておこう。


鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST・25話。エド兄さんと糸目さんはグラトニーの腹の中。血と瓦礫と白骨で構成された暗闇の中、二人はエンヴィーさんと出会い「実はここ出口無いねん」とか言われるのでありました…というね。カタコンベのような閉鎖空間にて敵味方が出会う、っちうシチュエーションは何だかカリ城を思い出したり。や、アッチでは別に銭型とルパンが決死のバトルを繰り広げたりはしませんでしたけどね。


真実への門にして扉、その出来損ないであるというグラトニーさんの腹の中。何かヨグ=ソトースみたいでんな。グラさん本人は至って無邪気な(それだけに歯止めのきかなそうな)キャラなのが、いかにも道具っぽくてなるほどな感じ。内部からエドと糸目、外部からはアル…という両面攻勢によってこの状況を打破できるか、ってとこですかねえ。


正体を現したエンヴィーさんとのバトルを中心として、今回はまたなかなかに気合の入ったアクション作画で目を引いたことだ。パンダとお嬢さんの修行組手シーンも良かったよ。…あの巨大エンヴィーさんの本体はCGかな? 顔だの頭だののディテイルを大量にひっつけたままぬるぬる動いてたけど。全体/基本的にはCGで、部分/要所をカッ飛びのハンドドローイングで…っちう作戦ですかな。


あとまあ、軍人さんの名前が軒並み軍用機なのはともかく、配属人事の伝令に来たお二人がヤコブレフとシュトルヒ…ってのがなかなかに微妙なチョイスでちとツボりました。うん、まあね。