狼と香辛料/大正野球娘/咲

狼と香辛料II・10話。嫁を売ることに躊躇するロレンスさん。当たり前っちゃァ当たり前のことであるが、当のヨメたるホロさんは是と言うのである。相手の罠が大きければ、その裏をかいたときの利益はそれだけ大きい、と。それでも躊躇するロレンスさんに「自分はお前の何なのだ、愛玩物か相棒か」とプンスカしたりするのである。てことで、毎度ながら危なっかしい商売の橋を渡る…劇中の言葉を借りるならば「商戦」に望むお二人さん、の話である。


シリアスとじゃれ合いの距離感からつかず離れずの…いやまあ、基本的にはホロ姐さんが間合いの主導権を握ってるんですが…二人の会話は、いつもながらご馳走様な感じですな。その中でサラリと「最期は看取ってやるから安心するとよい」てな言葉を挟むホロさんの弱さ/強さが好ましい。根っから寿命の異なる二人であり、ホロさんは常からそういう覚悟と愛情を持っているのである。ロレンスさんはそのことに気付いている…あるいは気付いていても心底から理解しているだろうか。


没落貴族のパクロミさん。見た目通りに一筋縄ではいかぬ存在のようで、一通り商売の構造が語られても未だ見えぬ水面下がありそうですね。さて、「質の悪い塩」のカラクリは何でしょう。ふふん、細かいことは毎度のワシでイマイチ判らんが、登場人物の関係性がクリアなので割と判った風に見てますよ。よい事だ。


大正野球娘。9話。野球のことが親バレしたかと思ったが、男女関係のことだと誤解されたので良かったぜの巻…って、そっちの方がヤヤコシいと思いますけどね。いやあ、お互いに別のことを語ってすれ違いのまま進むという「古き佳きお約束コメディ」が判りやすくてよろしい。この時代設定にしてよく生きる要素だわなあ。小梅お嬢さんの言葉をガッツリ誤解してショボ暮れてる三郎さんが実にいじらしい…っちうか、確かに三郎さんサイドから見たらとんでもねェビッチさんではある。そしてそれはそれで萌える。


そして因縁の再試合を望むお嬢さんたちだが、それは儚くも拒否されてしまう。「ナオンは野球なんかする生物じゃないんじゃよー」とのたまう校長に反発する岩崎キャプテンだが、彼は自らの中にもそんな考えがあることに気付いているだろうか。男女云々以前に対等な存在としてアキコさんを捉えているか…ということですな。ま、それは多分試合中にバットとボールで語り合うが良い。


お嬢さんたちの野球風景、ここにきてちゃんと「スポーツ選手の動き」になっているのがなかなか細かい。これ、もっかい第一話から見直したらその変遷が判るかな。


咲-saki-・22話。アバン、まァた引き続いての水着サーヴィスネタかい! と思ったら福山さんの妄想でした。ま、それはどうでもいいや(エエんかい)。てことで個人戦の開始、事前に仄めかされていた「個人戦からドンと出てくる新キャラさん」の大登場である。東場ハッスルの逃げ切り型である釘宮さんとは対照的に、南場になってからガンガン攻め始める尻上がり型の人。ははあ、ブルートレイン学園みたいなものですか?


…まァ、双方に意地の悪い言い方をしてしまえば「釘宮さん相手にドラマを作る程度」のキャラ、なのでしょうけどね。実際、それと比して咲さんとこの卓は見た目も戦況もエライ歯ごたえのある展開が待っていそうであるしねえ。部長の狡猾さやステルスさんの無茶性能も楽しそうだが、判りやすく立っているキャラデザインのくせにここまで一つも見せ場なしのまま、っちう黒髪メガネさんに期待してみよう。…このままなし崩しに沈んでっちゃったらかわいそうだなあ。


とりあえず上では割と酷いこと言っちゃった三瓶声の人ですが、何故か後見人の祖父が大塚芳忠というシヴさはちと面白い…が、やっぱいぶし銀に過ぎるかなあ。もっと派手になったりするか? 南入したとたんに髪の毛逆立っておっそろしい形相になる、とか。ダメですね。じゃいいです。