シャングリラ/マグニチュード/まにまに

シャングリ・ラ・22話。本丸に乗り込んだクニコさんは、今まさにアトラスの正当後継者にならんとする天子嬢ちゃんに出くわすのである。一昔前のマザーコンピュータの如き超越存在ゼウス、かの者を掌握してメデューサを止めなければ地球の明日はない。がしかし、ここでも五十嵐姐さんがぐりぐりと介入してくるので困ったな、っちうお話。


五十嵐姐さんの正体とは、ほかならぬそのゼウス(のインターフェイス)でありました。そして彼女の究極目的はやはり世界支配、されど「世界」ってデカ過ぎじゃなーい? だから一旦人類滅亡したらエエ感じにちっこくなるじゃなーい? …ということらしい。ううむ、強欲なのかつつましいのか…いやつつましくはないけれど。にしても異様に迂遠な作戦であり、メデューサに楽々ハッキングできるような能力があるならさっさと戦乱でも紛争でも起こしちゃえばすぐ済むのになあ、と思ったり。まァいまだ回収されざる伏線や人物もあるので彼女の言が真実全てとは限らんけどさ。


とりあえず、姐さんがあんな回りくどいことやってる理由は「ドSだから」ってことで当面はよろしいか? よろしいか。じゃいいや。主要人物が蝟集してきたのがちゃんと盛り上がり要素になってたのは良としよう。


東京マグニチュード8.0・8話。体調優れず倒れたユウキくんはそのまま病院に搬送される。かなり念の入った経過描写を見て、うーむこれは何やらヤバいなあ…ひょっとしてここで退場の目もあるか? とか思ってたらもっとキッツい描写に入ってしまいました。てことで、どうしても弟の事実を認められないお姉ちゃんがアッチの世界に足を踏み入れる話。


って…ああ、こう来るかあ! 中途で「脈、呼吸ともにありません」とかチラッと漏れ聞こえてきた段階で「あれ?」とか思ったが、まさかこの状況から弟を退場させちゃうとはねえ。そして、その重さを執拗に々々描き続けるBパートまるまるのシナリオ。うーんしかし、この番組がある程度まで「地震災害に遭った場合のシミュレート」という啓蒙視点を持っている以上、これは避けて通れない要素だったのかもしれない。いやあ…何だかんだ言うて、ワシもいろんなアニメやら何やら見て麻痺してたわなあ。人一人退場するってェのは大変なことなのだ。これはマリさんや周囲の相当なフォローがないと、ミライさんにはつらすぎる所だろう。が、上記の点から考えるとそこら辺もちゃんと見せていく、のだろうな。


ま、これが更にドンデンネタで「実は…」っちう可能性もあるが、それにしても分厚い描写であり割と圧倒はさせられましたよ。青い々々空、輝く湖面、響くセミの声、全き夏の風景なのにいかにも彼岸此岸の境目のような雰囲気に感じられてしまう。リュックをキーヴィジュアルとして何度も映し、使っているのも印象的だが…何故にそこまで重いのですか? アレか? 遺品とかアレとかナニとかが入ってるってことか?


宙のまにまに・9話。まだ見ぬ「星猛者」たちに勇んで会わんとする我らが御一統。確かにそれは天文者にとっての専門空間であったが、思いのほか沢城さんたちのコミュニティは、そのまあ…あれ? エエ感じやん? っちう話。わざわざ映像レターを送ってくるというデキスギな観測会とオウミ部長の印象だったが、二階からぶんぶん手を振るわ駆けつけてきてすっ転ぶわ周囲(主に女子)にモテモテだわ、おまけにメガネ部長との淡いロマンスがあったりするわ、うーんこれなんて完璧超人? というほんわか話でありました。


とにかく今回わらわら登場した新キャラたちの個性がよう立っており、それもこの作品らしい性善的な方向へのキャラ立ちで、見ていて何だか微笑ましいにも程があったりした。んーそうねえ、ワシはあのほっぺたさんでちびっこなピッグテイル子さんがエエな。美星先輩とのツーショットが実に心休まる。…あと、ヒメさんはあのイケメンさんとある意味最高に良い出会いスタートを切ったよな。今後どうにでも持っていけるやんかいサ。


天文方面でもちゃんとツボは押さえてて、あの20cm屈折望遠鏡の威容はなかなかだったし、エリア法という観測メソッドも「へー」ってな感じで面白かった。何だかんだで各々独自の天文スキルがありげな蒼栄の皆さんも楽しいことでした。