とらドラ/銀魂

とらドラ! 最終話。家族となる日々の巻。原作のどこまでアニメ化したのか、あるいは原作にどこまで忠実なのかは判らんが、かなり均整のとれたシメになっててよろしァんしたのではないでしょうか。そしてお二人さんの関係をキチンと描写する流れに相応の覚悟を見る。ずうっと行きつ戻りつしていた二人が夜空見上げて寄り添って、んでもってとうとうの朝チュン…という流れにめぞんとか思い出したワシはおっさんである。


…ま、何より、あの「もう一度」連発の破壊力なんだろうな。瑞々しいというよりはいっそ生々しいほどにまで、竜虎の二人のご様子を描写するあの一連のシーン。主に作画と釘宮さんの演技に「ふははは」とヘンな笑いが出そうになる。ん、参った。


総評。メカだロボだとガキ臭ェワタシにとってはかなり守備範囲外な作品であったけど、それでも視聴しつづけられたのはこの作品の持つ質の高さ、あるいは割とぶきっちょ気味ながっぷり四つの誠実さ、によるものだろうなあ。キャラ造形や色付けは、確かにデフォルメもかかった今様風情なんだけど、各々のキャラとその関係のみで話を転がす…そうねえ、戯曲的なストイックさというかねえ。とにかく、部外者のワタシでも「ちゃんと付き合ってみようか」と思わせる地力があったっていうワケだ。


ワタシがもうちょっと若けりゃ「け、細かいことをグズグズと」と切り捨てただろうし、さらにもっと若ければガッチリとハマったことだろう。そう思わせるような、エエ若いもんの持つ/あるいはそんな野郎どもに向けてのエネルギーを持った作品だったと思う。ワシはオッサンなのでこうまで俯瞰的に見ちゃったけど、ま、それはワシ自身のせい。


あと、話(というかキャラの感情)が盛り上がってくると必ず作画が飛び跳ねてくる、というのがツボでしたわ。ワシが動き作画好きってのもあるけど、この作品の場合はそういう作画テイストの変化に演出的な意味があるしね。…何度も言うように、そんなもん無しでただ暴走な作画でも一向困らんワシではありますが。


てことで…んー、おもろかったっす。続きがあるのかどうかは知らんが、個人的にはこの雰囲気と余韻で終わってくれてもオッケーやな。


銀魂150話。緊急最終回としてアニメ銀魂を偲ぶ特番、に見せかけて改変期恒例のぶっちゃけメタギャグつなぎ話。終わる終わる詐欺もここまで徹底すれば大したものではあるけれど、なんかこう、ホンマにヤバいとこもあったりするんだろうなあ、刑務所の塀の上で踊ってるようなとこもあるんだろうなあ、とか思ったりもする。


基本的には皆が正しい最終回を求めてド突きあうという形式だけど、各々の最終回の凝り方はなかなかバカっちくてなんかよかった。脚本が毎度の三名の連名なので、各々ごたごたやったんだろうなあ。「DVDが売れたから調子に乗った」などの内輪ネタもよし、ヤマトもガンダムも打ち切りだしいいじゃんというパロネタもよし。んでEVAだけ本格的にパロられてましたなー。立木のおっさんと石田兄さんがちゃんとそれっぽい声出してたが。


…てことで、まあそういうね。「もうちょっとだけ続くんじゃ」とはまたアレな台詞やねえ。