屍姫/ライドバック/みなみけ

屍姫 玄9話。オーリさんの出生秘密の続き、そして七星の「始まり」。今までどうも行動原理がふらふらと定まらない印象のあったオーリさんであるが、歪みきった鬼子母神みたいな「子供たちを殺戮し続けた屍」の子という過去となれば…まァ、無意識にでもそれは避けたくなるわなあ。


その原罪を跳ね返すのに、あんまり重苦しい克己シーケンスを置かない、ってのは一概に悪くもない。「その程度でスッキリしちゃうの?」と思わんでもないが、ま、ズルズルと自省モードに入られてもな、とも思うし。あまりフォローも何も無くチリと化したあの七星さんは可哀相でした、けどね。


そして大々事故を発生させて大量の屍を呼び出さんとする七星。…前からちょっと不思議だったんだが、戦争なり災害なりで歴史上大量死はあるわな? その割に「屍」の出現頻度が大きくない(少なくとも大半の一般人に隠せる程度には少ない)ってのは、どうなんだろう。何か設定とかあるんだろうか。


ま、それは置いといて。とりあえず、状況をタメてタメてクライマックスに持っていき、ぱあんと決着つけた上で更なる大展開…というテンポのよい流れは、ここ数話の中では素直に面白かった。それに付随して作画も奮発してて、子を喰う七星さんの異形な雰囲気とか触手ミサイルサーカスとか、見所多かったしね。いきなり話がでっかくなったが、次回以降はどういうテンションなのか、さて。


RIDEBACK・9話。三木眞の人が無能っぽいので戒厳令の夜になる話。先週の経歴披露によってこのロマノフさんに「お話上はある程度ダメキャラですよ」っちうラベルが貼られてしまうと、何となく画面上の収まりが良くなった。こうなると副官らしきでかちちさんの動向が気になったりするが…誰だっけ、あのほくそえみしか表情のない人。


めんどくさい状況が進行する中、リンさんはもうライドバックには乗らないと宣言する。乗っていたのはバレエへの未練の転嫁行動に過ぎないから…っちう、なにやらそれらしい理由。当然ながらこれは再搭乗へのタメ要素でしょうな。一つ理由を否定したからってまた別の理由、あるいは欲求がそれに代わってしまえば意味はないワケで。


一方でうえだゆうじの先輩さんはデモ参加を考えている。いかにも大学生らしい、地に足ついてない、世界の狭い情熱ではあるが、これはこれでとてもよく判る…うーん、エエキャラですよ。ま、お上に「口実を与えるだけ」っちうそのとおりの展開になるのだろうけれど。


みなみけ おかえり10話。基本的にトーマさんと三女さんがかわいいなあ、という話。風呂に入って出てきて服がないのではづかしがってたり、藤岡に自然に懐いてたりのトーマさんもええし、藤岡とトーマに嫉妬気味に介入したり、「脂肪つけてからにするよー!」とちまちま体型を悲しんだりする三女さんもええです。しかし藤岡さんは「女の子に座られ属性」っちう妙なスキルを持っているなあ。多分あのヘタレ気質が安心を誘ったりするんだろう、か。


と言いつつ、オチに採用されたとなりみなみけの次男さん(しばらく長男だと思ってたよ)の話のたたみかけ具合に感心したりした。「長女には笑顔で、次女には関わらず、三女の相手はちゃんと」という一見普通の対処方法で、ここまで酷い行動パターンを構築できるシナリオがすげえ。もうあのヤーな笑顔だけでほぼ満点といえよう。