屍姫/ケメコ

屍姫 赫12話。藤原兄さんの死と七星の罠。状況に対して薄皮一枚ほど隔たりのあったオーリさんが、その身をどっぷりと屍世界に浸からせるための契機話…でもあるのだろうな。自らの手で兄を屠り、余裕も覚悟も無いことを自覚しつつ契約を結ぶ。ED絵にていきなり僧衣を纏って峻厳な表情を見せる、というシリアスモードが印象的でした。


マキナさんが藤原兄さんの最期に臨んで見せる様々なドラマ。これにしつこいほどの尺と間合いを注ぎこむ構成はちとよろしかった。頬を張れずに撫でるマキナさん、「このまま未練とともに屍となれば」と心根揺れつつそれを振り払い微笑むマキナさん。この最後の微笑み、かなり粘っこい作画になってて目を引いた。演出がその意図を伝えるのめんどくさかったのと違うやろか。


一方のアカシャ宮本さんは、死闘の最中に今更「死を覚悟した目だ!」とビビったり、相手の攻撃が激しくなったら「真実を知りたくないのか!」ろ懐柔したり…どうもピリッせえへんな、と思ったらどうやらまだ田神兄さんに思慕が残っていた、てな描写が。その割にすげえ御無体な攻撃してたけどなあ。この辺ちょっと齟齬っぽいモヤモヤ感が残ったなァ。まァ元々「不可解な人」っちう属性キャラではあるしねえ。エエか。


ケメコデラックス! 最終話。ケメコさんはミシマ/バニラさんから三平太を奪還する。三平太さんはよく判らないなりにケメコさんについていく。そして謎の巫女さんが登場してシメ、である。ま、なんとなくの予想通りあからさまにオープンエンドですわな。人気良ければ今後続編もイケるように、ってとこか。なのでスジ的にどうこうはほとんど無い。むしろ説明台詞の詰め込み具合が気になったりした。


ま、テンポと迫力の横溢したバトルシーンは良かったし(ケメコさんの炎キックのゴン! ゴン! という二段階威力増描写は文字通り燃えた)、各々の特性を外さないキャラ描写は楽しめたですよ。っちうかイズミさんのあの臆面なくもすっさまじいちち描写はどうしたものか。あっけらかんと肉体エロに走る監督ならではだなあ…と言いつつ、三平太さんのケメコ(エムエム)さん罵倒台詞「ちょっと臭いし」に反応するワシ。そうか。臭いか。よおし。


総評。まその何だ、ヒネったりシリアスだったりな流れがあると邪魔に見えるくらいのバカキャッチー要素満載のアニメだったなあ、と。この内容ならミシマ云々のスジは個人的にはむしろ要らなかったんだけど、原作つきならばそういうワケにもいかんでしょうしね。多分第二シーズンとかの可能性もあろうが、んー…いや、このクォリティをキープしていただけるなら見たいです。主にアクションと刹那的ギャグをメインに視聴するでしょうが。あとちちやふともも。


それとあと、何よりも斎藤千和さんのムチャな演技だろうなあ。いやマジで、チワさんが普通にケメコとエムエムの双方を演じても不思議じゃなかったと思うんだが、しかしこの分割でよっけェにハジけちゃったのは確かではある。がんばれちょうがんばれ。おっさん応援する。でもカワイイ演技も今後引き続きやらせてもらえるようにもがんばれ。コメディエンヌ路線もオイシイとは思うけどね。