ボーン・アルティメイタム

●毎度のレンタルビデオ会員更新時期、更新料弐百円也とともに一本無料ってことで「ボーン・アルティメイタム」を借りてきて見る。…んー、噂どおりホンマに「スプレマシー」の直結続編なのな。感じとしてはバックトゥザフューチャーの2と3の繋がり方に近いか。いやそこまででもないか。まあいいか。


えー、とりあえず何でもない会話シーンだろうが何だろうが、ドキュメンタリでもありえねえ程のカメラ揺らし術に割と戸惑ったりする。前作でもこんなんだっけ? まあつまりこれは…「カメラ」じゃないんだろうな。仮想的な誰かの視界、そして心象風景でもあるワケだ。人の後姿やら壁やらで画面半分ほどを影が覆い、残りの隙間から相手の顔が見える…てなクドい画面構成がちょこちょこ出てくるのもそういうことでしょかね。でもすぐ慣れたので別にいいです。


本編はあいかわらず、見てるこっちが頭良うなったように錯覚できる映画ですなあ。「道すがらのモノを拾い上げて対処する芸」はさらに極まってて、タンジールでの「逃げながら洗濯物ひっちゃぶいて手に巻き、ガラス埋め込まれた塀を登る」とかもうお約束のサーヴィスシーンに近いもんな。そしてアクションもこれまた前作同様、スマートさとは程遠いゴリゴリした接触/打撃/衝撃が重視されてて見てて痛そう。これほどぶつかってはのけぞりぶち当たっては呻きするカーチェイスシーケンスってのもそうそう無いんじゃなかろうか。


そういう肉体性の後ろっかわに、もう隠密行動は不可能なんじゃねーかってほどの情報戦の広い海がある、てな構造はイマドキですな。エシュロンなんか露払い役ですもんね。…あと確かに、このブラックプライアー計画ってのは公安9課を思い出しますわ。記憶喪失の素子さん、これは怖い。


ノア役のデヴィッド・ストラザーンは毎度ながら実に胡散臭い顔立ちでよろしいな。しかしこのシリーズ、毎度ヒロイン役が妙にもっちゃりしてんのが面白いというか。ニッキーさんの人、デコっぱちでアゴ目立ちで、なんか未来世紀ブラジルの赤子お面みたいですと言ったらファンに殺されますか。


さて。前作をTVで見たときはちょいと吹替え声に残念気味だったけど、まァレンタルソフトでそういうのはござんせんでね。ボーンは平田広明、パメラに小山茉美、そしてノアには小川真司。ホンマこういう管理職悪役は外さないなあ。…いやまあ、TV版もボーンさん以外は良かったんだけどな。パメラの塩田朋子姐やんとかね。茉美版と比べるとちとオバハン度合いが高いのが、またエかったりね。