ワールド・デストラクション/図書館戦争

●新番組・ワールド・デストラクション 〜世界撲滅の六人〜。また長ェ名だな。詳細は知らず、ただゲームが元ネタとのみ。いきなりのシヴカワいい「勇者だクマ!」な古谷徹はツカミとしてなかなか。獣っぽい人が普通に共存してる世界らしく、異種族同居ネタがツボの一つであるワタシとしては割とエエ感じのスタートですな。


お話は、頼りない(けど、お約束として何か能力がありそげな)主人公が剣士のお姐さんについていく(あとクマも)まで。オーソドックスなストーリーに、かわいいんだかそうでないんだかよう判らんねこ王国のキャラとかねこみみつけてバイトしてる主人公とか、フックになる小ネタがいろいろ付いてるので見方にはあまり困らない。うん、巻き込まれ型の語り起こしとしては無難にまとめた第一話ってとこですかな。


作画は堅調、エエ感じのケムとかあってほうほう…とか思ってたらいきなりものすげえフラットな「作画アニメ」になって割とビビる。うはー、第一話だからってことでのご褒美かしら。スタッフロールの宮澤康紀がすげえ怪しい。怪しいったら怪しい。ま、次回以降もこんな作画ばかしだとは思わんが、とりあえず見てみましょう。飽きるまで。ええ。


図書館戦争最終話。前回のヒキを受けてエライことになりつつ、偏向っぽい報道を受ける主人公たちである。戦闘当事者以外の一般市民の視点が出てくるのは(この作品としては)割と珍しいのだけれど、それにしても三十年も実弾ドンパチやってきて人が死んだら問題になるとは…まァらしいっちゃらしいか、とか思ってたら図書隊側がマスコミを情報操作して終わりやがった。司令によって「表現の自由」を高らかに謳いあげたシメとして、さらに「現実ってこんなもんだよ」とかのほろ苦さとは無縁の全肯定として。流石に…それは…なあ。


総評。シーンごとの演出や作画は安定していたが根本の脚本が…ってな感想はエウレカ以来か。多分原作の小説読んだらここまでの違和感は無く、アニメ化により具体的な描写が与えられたことでワタシにとってもぞもぞする点が多発してしまったのだろう。そしてそれらの違和感は全てただの後景であり、本来伝えたかった「異業種ラブコメ」の道具立てに過ぎない。要するにワタシはこの作品のエエお客じゃなかった、とそれだけのことだ。


…それでもなあ。


「主人公たちは主人公だから正しく、敵対者は敵だからゴミ」という制作姿勢のおかげで、始終ワタシに付きまとった戦時中のプロパガンダ映画見てるような感覚。でもそういうこっちゃなくて、制作側は逆に焚書だの情報規制だの表現の自由だのは「どうでもいい」と思って作った…正確に言えば、そういう要素を掘り下げないことを選択した、んだろうな。だってそんなとこ見るアニメじゃないもん、だ。ワタシは、そこがヤだった。ラブコメもエエよ、頑張る若者もステキだよ。でもそれを描く為の「ダシ」として、戦争や虚構や図書弾圧を使って欲しくなかったなあ。


てことで、ワタシにとっては最後まで尻の据わりの悪い作品でした。あ、井上麻里奈沢城みゆきはとっても良かったです。んー。