バンブー/スケブ/銀魂/げんしけん/もっけ

バンブーブレード7話。パツキン先生vsタマちゃんが前半、寿司やメンチカツ喰う話が後半。前半の剣道対戦は本当に気合が入っていて、こういう「スポーツ対戦アニメ」ではワタシ久々に手に汗握るような体験をさせていただきました。「流石は強い大人だな」と感心する稲田徹の気合声にまァったく負けていない、「裂帛」という言葉が相応しい広橋涼の雄叫びに魂消ましたよ。かっちょええなあ。


お互いに「本気になってからが本番」という見せ場も与えられてるし(先生はそこで止めちゃったけど)、作画のほうも話の盛り上がりに大きく寄与していたし、今までのチャラ気味な流れはこのための伏線か? と疑うような剛健さだったなあ。…それを軽く柔らかく引き継いだ、Bパートの喰いもの話もシメとして良い後味だった。試合終わればノーサイドだよねえ。あとイワシの握りって旨いよねえ。


…にしても、VHDとはまた…。そういう濃いネタやるもんだから、「すしお」という店名もなんか勘ぐっちゃうんだよな。関係ないよね?


●スケッチブック8話。お茶散歩とバカ先輩コンビの二本立て。バカコンビの方は、たぶんそーなるだろーなーという期待(期待?)にそぐわぬうざったさが全開であって素晴らしくうざったい。先輩の相手するってのは大変だな! 自分のことは棚に上げつつ言いますがね! 結局事態を解決してしまい(それも純粋に本人の能力によって!)、自分たちの印象はバカ方面に情報操作しっぱなしで帰っていく…というバカダンディズムがなんかおもろかった。


散歩サイドは一話に出てきてそれっきりだったお嬢さんの再登場話。彼女のデジカメは決断の早さやある種のずうずうしさの象徴であるのだけれど、それがとてもイヤミのない形で空さんのスケッチブックと対置され、結局融合されちゃうのが優しい目線でありますな。「見たまま、描いた」という空さんの受け答えが朴訥でそれらしい。なんかカテゴリとしては山下清っぽくもある人だな。


銀魂82話。火の鳥もどきの拝金話と、別れられないダメ男女、という教訓話のような何かの二本立て。話の構成自体は確かにベタで素朴な教訓話なのよ? でも、そういうタイプの作品にはあんまし金玉金玉金玉とかデブとかハムとかいう単語は出てこないと思うんだ。金玉とか。ようあんなけ連呼したもんだな。釘宮も金玉。


Aパートの金玉バブルで公共事業だらけのド田舎、俯瞰から眺めた時の風景がやたらにリアルなギャグ絵になってたな。なんじゃあの田んぼと高層ビルのパッチワーク風景は。あと、火の鳥みたいな方の幸田夏穂さんは相変わらずツヤっぽくてよろしおました。存在自体はすんげえ謎なんだけどさ。あとハタ皇子とさっちゃんはちと見せ場少なくて残念気味。


げんしけん2・7話。卒業時期なので色々と入れ替わったり感慨にふけったり身も蓋もなかったりする話。追いコン描写の、生々しさと楽しさがエエ具合で混ざり合った質感が独特で面白かった。カノジョの身体を参考資料にしたフィギュアをみんなで見てどうすんのさ。どうしてほしいのさ。いやそうするしかないけどさ。あと、咲姐さんはやっぱ一番人格が出来ていらっしゃるなあ。クッチーにちゃんと鉄拳ツッコミしてあげるのがその優しさであろう。多分な。


色々と回想場面が多くて(新作画だけど)これは総集編的っぽい第二シーズン向けの配慮かな思ってたら、EDが第一シーズンのソレだったので「ああ、これは逆に前作ファンへのサーヴィスなのか」と思い当たった。確かに今回のおセンチなノリにはこっちの方が良く合うね。


居酒屋出たときの「あ、雪」「ホントだ」「…お疲れっしたー」ちう、ファンタジーと現実性の界面みたいな話の間合いが割と好き。いかにも定番なドラマチックキッカケを、そのまま「お疲れ」で流しちゃうという、ね。…あと、関智一納谷悟朗モノマネが異様に上手かったのは何故? そういう特技持ちさんだっけ?


もっけ7話。首の周りに巻かれる白いモノ。それは蛇かマフラーかはたまた暗く冷たい人の情念なのか。途中まで割と普通に「女の子ってのは年が若くても女性なのだなあ」とかステロタイプな陳腐感想を吐き出してたワタシでありますが、ラストんところでミズキさんと一緒に「ごめん」とか思っちゃいました。別にそんな凝ったレッドヘリングでもないんだけどね。


今回の妖異は存在自体はごく単純なものだったのだが、たまたまの状況とミズキさん(=視聴者)の観点の位置によって妙に屈折した構造になっちゃってたワケですね。見て、知って、考える、そういった行為そのものによって形づくられてしまう異形。京極堂ならそれが「呪」だと言うとこだろうか。うん、何かマジで京極的な短編小説みたいなテイストが感じられたように思いました。