キス・オブ・ザ・ドラゴン

●TVにて視聴。実はリンチェイ師父の現代劇ってほとんど見たこと無かったのさ。とにかく異様にスタイリッシュなコレオグラフィ(武闘振り付け)が美しい美しい。どんな時も正中線をぶらさずにまっすぐ歩く。激しい武闘をひとしきりこなし、また背筋を「すっ」と伸ばす。走らない。歩く。…か、かっちょええ…。


話自体はもう、ツッコんだ方が負けの世界であって正調漫画映画でございます。よっていちいちここがおかしいそこがヘンだとあげつらう事はしませんが、…養護院の子供部屋のベッドに潜む殺し屋さんは流石に楽しすぎた。それまでの状況を考えると可笑しィて可笑しィて。「ぼっちゃん、ちょっと静かにしててね。おじさんがここで寝てるのばらしちゃダメだヨ」


ラストの展開はそのままヤクーザ映画、敵の組事務所に殴りこみの図。話の盛り上げ曲線の引き方が上手くて、もーがんばれ、超がんばれって気にさせてくださいますなあ。チェッキー・カリョの極悪刑事もエエ感じですが、何でしょう、フランス悪人刑事となるとどうしてもゲイリー・オールドマンタイプになるんですかね。


劇伴の安っぽさと孫フォンダちゃんのキャラがあんま好みじゃなかったのが残念。いや、安くて大仰な音楽というジャンルは好きですが、その方向性がちょっと合わなかったということで。


声ですが、安原義人のイヤキャラはもう堂々過ぎて文句も言えまへんな。あと、人質のお子さま役に何故か金田朋子。出番一瞬なのにやたら目立つぞ。金朋先生、色んな仕事してんのな。