ネメシス・ラ・アルゴール、君は人間だ

清川元夢がお亡くなり。この方も最後まで現役でしたなあ。線の細い悪党、謎のダンディ、軽妙なおじさま。かつては特撮悪役でぶいぶい言わせてたイメージだけどもね。冬月以外の最近だと、ゴールデンカムイの人斬り用一郎がちょっと誰も太刀打ちできない演技で凄味があった。一瞬でボケ老人から抜き身の人斬りに変わる瞬間、人生の終わりを訥々と語るセリフ、どれも素晴らしかった。謹んで哀悼の意を。

よふかしのうた

惑星のさみだれは途中リタイア。ちょっとしんどくなってきたので。申し訳ない。

●よふかしのうた・7話。冒頭にOLさんとのちょっとエエ話を置いた直後、プリン髪のお嬢さんとまた別の出会い。なんだよコウくんタラシの無意識ジゴロ童貞野郎め、と思ったらちょっと違った。てことでヴァンパイアお嬢さん組合との少々ブルータルな面会話。彼女たちは人を眷属とする為に男から好かれるようになっており、そしてナズナさんはそこから外れた存在であると。

持ち前のじょしぱわーでヤモリさんを篭絡しようとして次々ハネられていく吸血鬼お姉さんたちという絵面は一種痛快だが、しかしこれはヤモリさんの異質さの発露でもあるなあ。この人、割と深い所で他者への同調に乏しいのではないか、という描写である。…まあ、百戦錬磨の女性が奥手の俺に「おもしれー男」つって落ちちゃう、という夢話の変形ともいえるけどもね。それにしたって萌え袖のコビコビお嬢さんに私じゃダメかな?とか訊かれ、悪意も何も無しで「まあアリかナシかで言うならナシっすねー」と言えるってのは大概太いよなあ。あとお嬢さんたちのキャスティングがなんかすげえすごかった。説得力のありすぎる取り揃えがすげえ。

ユーレイデコ/異世界おじさん

●ユーレイデコ・7話。噂のラーメン屋台を探すベリーとワトスン氏(とついでにハック)。混沌モヤモヤした噂というシロモノを追っかけていくことと、屋台店主である世界設計者AIの思考過程がシンクロする。虚実のあわいとしての噂をめぐるAIとの問答は、そのままこの世界の構造の話でもあるのだろう。冒頭にウィンドフォールしてくる羽、ラーメン丼の模様、その他もろもろに出てくるクジャクはどうやらこの世界の根幹にかかわるモチーフのようだが、まあその辺はおいおい。あとワトスン氏が集めているどうでもよさそうな噂のうち、どれかはホンマのことなんだろうな。

異世界おじさん・5話。メイベルさんとの再会。悠木碧のカワイイけどやっぱキモい演技を賞翫する回でもある。おじさんのせいで村におけるイベントアイテム入手フラグ屋さんとしてのアイデンティティを失ったので、ストーカーすることにしたらしい。この人はこの人でちょろいし生活能力ないし気弱に見えて図々しいしでいろいろめんどくさいお嬢さんのようだが、おじさんも大概だしな…女性の目を褒めるのにダイナマイトヘッディ―のキャラはあんまり使わないと思う。あと転移一発目のデフォルト音声が何故か中国語だったというネタで、なんかマジの音声流れてんなと思ったら劉セイラさんという方で結構なマルチ才能のお人だった。エライ経歴してんなこの人。

よふかしのうた/惑星のさみだれ

●よふかしのうた・6話。Aパートは承前、白川さんをどうこうする話。フツーに社会の隙間ですりつぶされ中の疲れたOLを、ほんのわずかの一瞬でも圧壊から開放する、そういう非日常としての夜。…こんな深夜に呼び付ける上司の事情も察するが…いや上司だからな。そりゃ百パー管理責任の欠如だな。てことで上司が悪い。うん、物事は単純に。あと「俺に惚れさせてやる」という言外のニュアンスを、ヤモリさんがガッツリ知った上で喋ってんのがおもろかった。こういう妙な自信とか、この人もどっかアンバランスなとこあるなあ。

Bパートのナイトプール話は俺もまったくしらないせかいだったのでコウくんとおなじきもちになりました。その上で自分のモヤモヤした嫉妬をためらいつつもちゃんとナズナちゃんにぶつけられるヤモリさんがエライ。前半の白川さんへのタラシ言葉といい、正直なんだよな。だからこそ昼から疎外され、夜にスライドしちゃったってことでもあんだけどもさ。難しい問題じゃよね。あとナズナさんのちちが巨乳でも控えめでも美乳でもなく、なかなかマニアックなちちである(かつそれを美点として演出している)のを再確認し、ええのではと思った。

惑星のさみだれ・6話。東雲氏去りしのちその事実に向き合うこと。そんな各人の内面とは関係なく状況は進むのですよという話。泥人形が出てくるのもそうだが今回一気に騎士が三人ポップした。まあそれくらいチャッチャと出さんと数居るからなあ。てことで、戦闘狂の東雲弟氏・なんか落ち着いた感じの馬の人・白っぽいコーデででかちちの蛇の人、それぞれ勝手に絡む中で雨宮さんはPTSDですね。割と無茶して乗り越えようとしてるけども大丈夫か。あと何やね、毎度この町が戦いの舞台になってるけど、丘陵地区と新興住宅地っぽいのが混在したいかにも郊外っぽい風景ってのがなんか独特の雰囲気ではあるな

ユーレイデコ

●ユーレイデコ・6話。まいごのまいごのドローンAI。彼の依頼をたどることで、マダム・怪人ゼロ・この世界の裏についてのトッカカリまで、といろんなことがバタバタと関係し、開かされては新たな課題が発生する。とまあなかなか密度の濃いお話であり、かつその上でマダムとスマイリーについてのちょっとした情感もありでいい掌編になってたな。主観のハック・客観のベリーという対置が見られたのも面白かった。…しかしスマイリーさん…ガスマスク付けたゴスロリ少女ってことで「マスク取ったらカワイイ重点キャラだろうな」という定番ネタだろうと思ってたが…。いやカワイイですけどね? なかなか個性的でパンチの利いたカワイイだな!

二者にあっての哀悼の意

●立て続けとなると言及せざるを得ないだろう。小林清志大竹宏が逝去。小林清志はごく最近までバラエティでもナレーションしてたし直近ルパンでも大塚明夫への引継ぎ話を取り立ててもらったし、ってことで生涯現役のイメージが強い。対する大竹宏は私が最後に聞いたのがリメイク版のハンター×2のゼノ・ゾルディック翁だが、奇しくもこの人の表題が生涯現役。声のシゴトってのァ最後の最後まで全うしやすいってのはあるかもしれないが、その業績には頭の下がることだ。

…個人的なイメージで言うなら小林清志次元大介を措くならばガオガイガーのナレーションとジェームズ・コバーン大竹宏パーマン2号やブタゴリラの他だとAKIRAの根津。

少なくとも、このような演技者はその業績が永劫残る。願わくばそうあらんことを。

やよい軒初心者としての俺

●なんかかんかで「やよい軒」で期間限定ハイボール/レモンサワー90円セールをやっており、かつ最寄りの店舗がここから一駅のところにあると知る。早速行く。フライドポテト・千切りキャベツサラダ・唐揚げ5つ盛りにハイボール3杯飲んで千円未満。期間限定とはいえこれは安い。よくせんべろなんて言いますがテレビなどで見るそれとは違って、こっちは数打ち画一的チェーン店のそれであり風情もなんもないのだけど、まあそんなんどうでもいいわな。実際エエ感じにアテを選べばマジでべろべろに酔えるし、そういう風情とかはこっちにもうちょっと余裕出来てからでもいいかなとかね。ともあれ結構満足して店を後にしたけれども、いろいろ思うにこの店がウチから一駅程度でも離れていることにちょっとだけ良かったなとも思ったりする。…ウチから近々にあるとなりゃ、この安さもあって不可抗力的に頼り切ってしまうかもしれなかった。それはいろんな意味でよろしくない。いやはや、一応はちゃんとコンスタントに自炊しないとねえ。うん。