サニーボーイ

●サニーボーイ・11話。現実(だか何だか判んない)世界へと帰るナガラとミズホ、それを見送るラジダニと犬と猫の物語。余韻と謎を引きずったままのオープン気味なエンディングとして、ここで終わってもまあいいくらいには、「今回登場するキャラクタ」の決算話としては十分なバルクではあった。実際、次回でそれ以外の要素がどこまで手取り足取り語られるかってェのは怪しいとこだしねえ。ほぼなんでもありに近い能力を持っている彼らだけど、その相手が次元と概念を超越した世界からの脱出となればそれは「いい勝負」となるのだろう。

冒頭でノゾミさんの「死」に対し、丁寧にその儀式を積み重ねる彼らの行動は、実際必要なことだ。それが誰の心にも届かなくとも…ってラジダニが来たけどさ。ラジダニさんの言う二千年の経験、いびつで薄くなって欠落する、ってのは何だか指輪所持者としてのビルボの言葉を思い出したりした。…とまれ、次回最終回だよね? 座して待ちますけどもね。

 

ゲッターロボ

ゲッターロボアーク・12話。アバンでカムイさんが人類から離反する未来をまず見せちゃう、非常に判りやすくスピーディーな演出。そらまあねえ、みんなそうなるだろうことは知ってるわけだし、先に状況を確定させておくってのはマギレがなくていいとも言える。

本編はゲッターの意志について。恐竜人類から見れば「お前らは滅べ、人類は残れ」と言われちゃあはいそうですかとは言えまい。やたらと超越的な言辞を弄するゲッターの依り代たちを見るに、人類側からしてもどうにも全幅の信頼を置きづらい…ってのはタクマさんたちの行動原理ではある。エンペラーは悪ではないとバクさんは感じているが、善悪超越したとこに居るモノってのもねえ。あと敷島博士は爆散の瞬間までマッドサイエンティストでよろしかったです。首が吹っ飛んで大笑いとは、機械化身体冥利に尽きようて。

 

不確定名:スライム

●これなーんだ?

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正解は「トマト刻んで片栗粉と塩と粗挽き胡椒とみりんとカレー粉とコンソメ混ぜてオリーブ油で焼いてからマヨネーズと乾燥バジルかけたもの」でした。マヨネーズかけたのはチーズが無かったからで、片栗粉使ったのは小麦粉が無かったから。味はまあ、材料から予想される通り別段まずくもなく、トマトとコンソメの旨味に加えて隠し味的なみりんの甘さが良かったです。マヨネーズが意外といい働きしてて、トマトの尖った酸味をいい感じに抑えてくれてた気がする。味は悪くない。そして問題は片栗粉で、何でしょうねこのぶよんぶよんの食感は。あったかいスライムみたい。てことで、冷蔵庫のトマトを痛む前に消費しようとした結果の日記でした。参考にしないでください。

 

サニーボーイ/かげきしょうじょ

●サニーボーイ・10話。人の心が読める子の話。独善的で攻撃的で心が弱い、そんなアサカゼさんを…その底まで見てもまだ好きだ、ってのはダメ男好きの素質がある。彼女についてきて毎度のごとく直で切り込んでくるノゾミさんであるが、あんまり完全すぎる存在なので崖から足を踏み外す。まあこのまま退場するとは思えないが(この崖…戦争のキズの性質もよう判らんしね)、多分この漂流状況を作り出した/楽しんでいるモノ、にとってはやはり邪魔だったんだろうな。それが大川透の人なんかニセアキ先生なんかは知らんが。にしても読める子さん、キャスト欄の名前「骨折」ってひどいな! まいいや。

●かげきしょうじょ!!・12話。前半は山田さん担当回。恋愛経験の薄い自分がジュリエットを演じられるかと悩む彼女に、ものすげえ男前にハッパかけるサワさんが男前。そしてその激励を反芻しつつ、過去のある事象を思い返してたら自分にも恋愛の糸があったことに思い当たる。流れ的にはなかなかエエ感じのドラマだけど、その「恋愛」が青春の百合事案だってのがいいツイストでんなあ。んでもって後半はサラサさんのティボルト、その前振り。ここで状況をセッティングしておいて次回が最終回だっけ? さて、サラサさんかサワさんか、ってとこか。どうなることやら。

 

ゲッターロボ

ゲッターロボアーク・11話。敵のアンドロメダにカチコミカマすが、ここでカムイはなんか離脱して裏切る感じ。カムイの離反を促しタクマの母を殺し、と実務レベルでのメイン仇であるマックさんですが、彼は彼なりに苦くてざらっとした過去とバックボーン持ってんのがなかなかいい敵キャラではある。彼の駆る「ウザーラ」は中ボスの役目通りの押し出しと強さ持ってて、こいつとのバトルはいろいろと映えることですな。一応タクマさんは仇を討ったことにはなるが、実質的にはマックさんの自爆決着でありその目的…「バグ」を過去に送ること、も成功してしまったようだ。ゲッターに対抗できるということらしいが…そりゃすげえな! 噛ませ犬みたいな扱いしてすまん、アンドロさんども。

 

蚊に刺された

●蚊に刺された。この夏、というかもう9月も中旬なのだけど、初めての被弾となる。…言ってしまえばそんなけ、蚊も活動できねェほどに夏の間は暑かったってこったろうな。我が集合住宅のせまっ苦しいベランダ、至近距離に草むらやら何やらがあっていかにも蚊が出てきそうな…実際気温が下がれば容赦なく襲ってくるようなセッティングながら、ほんっとに蚊の一匹も遭遇してこなかった今夏だけれども。あー、とうとう出るようになりましたかヤツが。うん、まあ、久々の邂逅に全く情感もわかないので、生態系や生命倫理を踏み越えて完全絶滅しちゃえばいーのになーと思いました。死ね蚊めこのやろう。死ね。

 

サニーボーイ/かげきしょうじょ

●サニーボーイ・9話。雪原にて、コピーをめぐる戦いと諦観といくばくかの猫。ミズホさんちの猫たちは、あれこれシニカルなこと言いながらミズホさんへの過保護な感情を捨てきれない、まあネコらしいねこである。彼らの能力である調達は、コピーを元にしている。それはこの異変の根幹のようであり、つまり今この物語に出ているキャラクタはコピーなのではないだろうか。だとしたら、その未来には何がある? …コピーされた「双子」が均衡を崩して片方のみ残るとき、彼は「空しい」と言った。そんな空しさが、このご一統に訪れなきゃいいけれども。コピーのでかちち先生がどこまでメタ的に状況把握してるのやら、それが判らんのがもどかしいわねえ。

ミズホさんちの猫に島田敏辻親八津田匠子というゴリゴリのベテラン。このおかげで人間とはちょいと違う達観加減というか、異質なようで情緒的な雰囲気があっておもしろかった。なんかホンマにあんなこと言いそうだもんな、猫。

●かげきしょうじょ!!・11話。うんどうかいのあとはぶんかさい。ここに主人公たち予科生たちがしゃしゃり出る(出される)ことになるので、いろいろと情感的な起伏が発生する。寸劇としてのロミオとジュリエットをお出しする上で、各人はオーディションを受けることになるのだが、という話。ティボルトという変化球な役に苦労する中、自分のそこそこ根源的な感情に気づいて打開しようとするサラサさん…の前に、同じく「恋が判んないのに恋焦がれるジュリエットをやんなきゃなんない」アイちゃんのエピソードですな。キッカケとしたのがサラサさんへの思慕ってのは百合的ではあるが、どちらかというとそれ以前に「恋を分化できていない未熟さ」を自覚しつつそれを力技で変換して打撃武器とした、ってのが近いのかなあ。そういうことができるってことこそが経験であり才能でもあるんだろうけども。

アイちゃんに過激で的確な助言をした後で、地続き的に「ここ拭き忘れてる」と笑顔のイヤミを放つ花澤さんのヒジリ先輩がいいなあ。あのイヤミはそれまでの言動行動へのカウンターとして、なんか芥川の羅生門にて「下人がにきびから手を放す」シーンを思い出した。