エキゾチックなジャパン

●なんでそれを見始めたのかはよく覚えていないのだけれど、なんか過去のCM動画を検索して見てた時期がある。その中でこの動画中にて
https://www.youtube.com/watch?v=LmIrtGIPfKk
何故か矢鱈と外国の人、まあ英語圏の反応が大きかったのが面白くてね。6:05からの「アース渦巻香」のCMなんですけど、あの歌手は誰だ誰だとそこだけ特異点的に反応が濃い。神田沙也加っつーと私どもおっさん世代には松田聖子の娘さんという認識が強いんですが、いまやもう三十路越えでしっかり足場を構築してるのであって前記の認識は時代遅れに過ぎるってことではあるなあ。実際動画の歌聞くだにむちゃくちゃキャッチーで、そらまあ外国の人が引っかかるのもよう判る。…何故かちょいエキゾチックというか、ぶっちゃけ東方っぽい雰囲気があるなあと思って検索したらしっかりそういう二次楽曲もありますのんな。リアルタイムでこのCM見てなかったのがちょっと残念ではあります。

ドロヘドロ/イド/映像研

ドロヘドロ・4話。今回もまあ、鴨肉とポルト酒と香味野菜をオーブンで焼いて作る生き人形だの、死体パーティで供される魔法使の死体から出てくる小さな悪魔だの、魔法によって空間を歪めた和風屋敷に住むバイオ系マッドサイエンティストジジイ(外見は10代)だの、奔放すぎるネタの連射連射。なんかこう、海外の変化球なファンタジィ小説というか、マジックリアリズムっぽさに唸るところ。

そんなディテイルとゴアでバイオレンスな雰囲気の上で、犬っぽい悪魔にメロメロで赤ちゃん言葉で世話してる煙さんとかナイスバディ(?)過ぎるノイさんの生き人形前に赤面しちゃってる心さんとか、いっちいちあざとい描写盛り込んでくるのは何というバランスなんだろうな。原作とアニメの尺からの要請でもあるんだろうけど、盛り込まれたネタの量に比してもサクサク進むテンポの良さがすげえ。このネタでもっと引っ張れるのに、贅沢だなーと思っちゃうよ。…すぐ死んじゃう死体パーティのダンナに子安、生き人形遣いにミキシンと、声優の使い方も妙に贅沢だな。

●イド:インヴェイデッド・6話。冒頭で今回分の事件そのものは決着。今回名探偵酒井戸さんが解決するのは、メタ的には視聴側の心の落ち着き場所を提示する為、と言えるかもしれない。母親を轢いてしまった電車に乗るも、しかしその電車は円環を成しどこにも行きつく事は無く、つまり乗り続けることで母親の死に会うことは無い。そんな永遠の夜行列車で、お互いに窓外に映った姿を眺めているだけの二人。「ここには事件はない」。その横で今回も救えなかったカエルちゃんに跪いて泣く酒井戸さん、夜の列車という舞台、すべてひっくるめて温度の低い叙情性が後を引く話だったな。

一方で本堂町ちゃんは着実に人外っぽくなってっておられる。松岡さんからかなり直接的に「お前もうこっち側の人間違うわ」と言われたのもまあ、しょうがないよねえ。当然そう言われてショックじゃないワケもないんだが、しかし彼女の進む方向はもう「そっち」しか無くなってるワケで。夕暮れの空をシルエットに立ち尽くす彼女の、アタマ部分を飛行機雲がぶっ貫いてるのが多少悪趣味に足突っ込んだカッコイイ演出だった。

●映像研には手を出すな!・5話。絵コンテに神戸守。この人ホンマに仕事の量と幅が大きいなあ。んで本編は巨大ロボ…てことは現実とロマンと虚構とのせめぎあいやるんだろうなと思ったらやった。映像研側とロボ研側でブレーンストーミングによってどんどん仕様が固まってゆくとこはある種の快感がある。最後に全員で「ババーン!」とかね。それにしても「ロボ研100年の歴史」ってマジかよ。未来のイヴって押井がらみの話でしか聞いたことなかったわい。あと金森氏は「(浅草氏は)会話が苦手だから妙な語尾で心を守っている」とか、そういう的確なことを言っちゃダメだと思った。こっちに刺さる。

虚構推理

●虚構推理・4話。今回を要約すると、ちちのでかい怪異女をめぐってバケモン男の元カノとタチの悪い自称今カノがマウント合戦する話。そして出てくるお嬢さんがみんな性格キツいか性格悪い。前回がサキさんによる琴子さんへの顔面パンチというヒキだったのだが、それについて何かフォローするでもなくそのまんまのノリで言い合ってるお二人がなんか、いい…のかなあ。あと"実在"の七瀬かりん主演ドラマ、主題歌のOPを妙に気合入れて作ってるっつーか、ドラマじゃないよねアニメだよねこれ。七瀬さんのデザインが(上記の通り)結構キツ目なので、畢竟出来上がったものもなんかこう、ちょいキツいというかぶっちゃけかわいくない! いや美人さんではあるんですけどね!

壁面の棚

●お風呂の石鹸棚に百均の石鹸棚を使ってんだけど、こないだからちょくちょく落下している。吸盤が劣化しているのもあるし、また元々うちのユニットバスの壁面が多少デコボコしてんのがワザしてるってとこもある。この棚が結構大きさといい付属品といい使い勝手に慣れてんので、できればこれを使用継続したいなと思ってんだけど、吸盤接着面を洗浄したり接着面強化に百均のクリアプレート貼ったりしたがやっぱり落ちる。

どうしよっかなあと検索したら「吸盤固定用接着剤」ってのがあるのな。早速近所のDIYショップに行ったら店員さんは「ウチには無いヨ」と仰る。…通販だと送料込みで実質倍額になるので出来たらリアルショップで買いたかったんだけどなあ。でもまあ、折角だから通販で購入して使ってみる。シリコンベースの弾力のある接着剤、要するに細かいデコボコをならして密着、空気の出入りを防ぐって機序ですな。使ってみたら今んとこ、数日経ても大事なく経過している。うん、よろしい。

しかし何ですな。この棚は100円、そして接着剤は送料込の1000円。…こういうモヤモヤを表現する言葉って何だろう。本末転倒とかコンコルド効果とかフォークランド紛争時のブラック・バック作戦とか、どれもイマイチしっくり来ない。まあ「やりすぎ」でいいんだろうけど。

●…とまあ、落下対応は解決したので一応満足して上記の駄文を書いたワケですが、そのあとでふと気になってユニットバスの壁に磁石つけたら…くっつくじゃん! この壁鉄板入りじゃん! 検索したら「ご存知ですか?」とか言われて今やこれジョーシキよ、てな記事がいっぱいひっかかった。なんだよう…それ知ってたら石鹸棚の選択肢がぐっと広がってたじゃん…。1000円プラス100円、無駄遣いだった可能性あんじゃん…。とりあえず心の安寧の為に、今風呂にくっついてる棚が自分に最もフィットするものである、とそんな認識で居ることにしよう。それがいい。

…次に百均行ったら、磁石保持の石鹸棚さがしちゃうんだろうな…。

ドロヘドロ/イド/映像研/バビロン

ドロヘドロ・3話。墓の底から死体がゾンビとなって跋扈する、年に一回の恐怖の日。これがそのまま恐怖でありながら、同時に無二のお祭りになってんのがこの世界のありかたなんだなあと。リビングデッドデイというメリケンくさいギミックに、塩をふりかけまくる坊主が出てくるのがごった煮感覚でよろしい。混沌とした雰囲気は(美術もあって)アキラのような過去のマンガになぞらえることもできるが、個人的に感じたのはちょい古め…そうねえ、バロックとかクーロンズゲートみたいなPS1期のゲームの世界だな。自身のノスタルジィの発露ってだけかもしれんけども。エンディングはゾンビ回の特別仕様、これがまたかなりいい雰囲気かつバカでとてもいい…っつーかまさか毎度エンディングが異なるってことはないだろうね。あーあと、調べ物してるノイさんがひっつめタイトスカートの大柄女ってのでとても良かったです。刺さる人には刺さるだろうなあ。

●映像研には手を出すな!・4話。水崎氏が作画的クォリティ(理想)に拘り、金森氏が進捗の大幅な遅延(現実)に発破をかけ、浅草氏が理想と現実の間をあれこれ考えて回答を出す。省力化の為の「ゴマカシ」技術ひとつひとつが効果的で上手い、っつーか水崎氏の作画/金森氏のマネジメント力の高さはよく言われるけど、浅草氏のこの「適切な技をチョイスする能力」ってのも大概ではある。やっとできた成果物を「魂を込めた妥協と諦めの結石」と表現するの、なんかもうすげえやね。

んで生徒会へのプレゼンだけど、まず作品上映自体に難癖付けてくる生徒会との渡り合いが面白い。金森氏のシタタカすぎる交渉術を正面からネゲイトする副会長の人に、対人弱者の浅草氏が喰らいつく。過剰な江戸落語オマージュの啖呵はあれ、必死で構築した彼女なりの武器なんだろうなあ、と思うと泣けてくるわな。そして上映される映像作品は…背動とかキャラ作画とか、ちゃんと「アマチュアらしさ」を持たせつつもゴージャスな出来になってんのが素晴らしい。劇伴の冒頭が意図的にチャチいのも、そのあとからぐっと盛り上げる効果狙ってのことだろうな。…エンディング一枚絵は石黒正数。まーいつか来るだろうなと思ったらもう来た。絵柄と相性イイな!

●イド:インヴェイデッド・5話。あやしい兄さんに何故か「きっす」されたことから推理を進める本堂町さん。…やっぱ頭に穴開いてから何らかのブーストかかってないです? 現場に殺意の粒子が残留していないのは殺意と愛情が逆転しているから、その上で殺人を続けるということはつまりそれは愛情の連鎖。その愛情を受ける人物こそがこのシリアルキラーの主体者…という、ワケの判らん因果の連鎖が頭の良いバカのリクツって感じですこぶる面白い。真(?)犯人のあやねる声のお嬢さんと相対するシーンの、何がおかしいのか判らないままどんどん緊張感の増してくる様子が怖かった。劇伴のせいもあるんだけどさ。

●バビロン・最終話。大統領と正崎さんは善悪について一応の結論らしきものを得るが、その直後にマガセさんが登場してダイナシである。とは言え、大統領は最後の最後に耐えて自殺を免れ…そして死ぬ。正崎さんは大統領殺しという悪を成すことで善を守る。そんな流れも多分、マガセさんの掌の上だったんだろうな…という、まあオープンエンドで終わる。

●総評。前回のカドは個人的にかなり楽しめて、あの物議をかもした終わり方もアリ中のアリだったんだけど、今回はかなり消化不良な感覚を持った。こちらも終わり方としてアリだとは思うが、このシリーズ当初のざらりとした生理的な怖さ・7話の問答無用の絶望感、あるいは世界規模になったことでひょっとしてありうるかもしれないと予測した「エイリアン2」というか「今度は戦争だ」というか、そんなすっ飛んだ方向への発散、どれとも違う何か妙なスケールになったのがどうも困る。ぶっちゃけ、吹っ切れが足りない。あのマガセさんが好き勝手するとなるとこんなもんじゃないし、またお話としてはこっからじゃん、という感覚も込みで、上記の通り「消化不良」ってのが感覚として一番近いだろうか。

それにしても相変わらず、面白そうな枠組みやエピソードの構築ぶりは一線を越えてるんだよなあ。ゆえに惜しい。

ともあれ、かなり印象に残ったシリーズであったのは間違いないところ。実際野崎まどの次回作があったら、また見たいなあとは思うん。つーかこの続き書いてくれませんかね? ダメ?

夢の話は誰も聞かない

●夢を見る。どこぞの飲み屋でハイソな会話をしている隣人にムカつきつつ、外に出たらそこは大きなテラスになっていて眼下には自然の緑と建造物が入り混じった広い都市が広がっている。ああこれはいい風景だ、こういう絵を描きたいものだなあと思ってたらさっきのスノビッシュな話してたおっさんが横に出てきて何故か分身しはじめる。市松模様のハットに口ひげにステッキ、このマンガみたいなデザインはひょっとして夢の産物か、と思った途端に目が覚める。

まだ夜中だったので再就寝したらまた夢を見たのだが、こっちは細部を覚えていない。とにかく珍しく夢に出てきた弟に、何人も居る友人から誕生日のプレゼントが届いて嬉しそうにしているのを見つつ「ああ、俺にはこういう人間的な繋がりが全くないのだなあ」とひたすら寂しくなった状態で目が覚めたので、そのインパクトにより他のディテイルがほぼ失われてしまった。いやあもう、こんなダウナーな目覚めも久々である。…実際に私の人間関係が寂しいのか、ってのはまあ、いいじゃないですか。別に。うん。

虚構推理

●虚構推理・3話。冒頭にて蛇神様の納得のいくような「虚構推理」を提示して一旦の幕引き、新たに始まるは鋼人七瀬なる怪異の話。ここに関わってくる気の強そうな婦警さんが九郎さんの元カノだっての、しばらく気付かなかったよ。どうやら彼女なりにトラウマ抱えてるみたいだけど、おひいさまが「いやあアチシこそが九郎さんの今カノなんすよ」つった顔面にパンチ喰らわす、ってのは「そういうお人なんだねえ」って感じでよろしかった。ていうかそれまでの一種緊張した怪異譚が、このパンチ一発でするりとヌけた感覚になるのが面白いやね。破瓜がどうのといちいち下ネタに走ってる場合じゃないぞおひいさま。あと鋼人七瀬の人はでかちちであるという描写の直後のカットで、元カノサキさんの胸部を映すのかわいそうだなあと思いました。