焼き芋とアイス

●小耳に挟んだ「焼き芋にアイスクリーム乗っけて喰う」ってのが旨かった。下世話というか即物的というか、最終的な出来上がりの為に周到にレシピを作り上げたってのとは異なる「まあそりゃこういう味になるわなあ」って感じがインスタントで良い。んでまた喰いたくなったので、近所で唯一焼き芋売ってる百円ローソンに行ったら売り切れてた。ここでああ残念でしたまた今度、と退却すればいいのに、一旦喰いたくなったら諦めきれないのが我が胃袋の浅ましさ。隣のスーパーに行ったらさつまいも単体が売ってたので、ならばとスマホで検索したらレンジでふかし芋作るレシピがいくつか引っかかる。なになに…キッチンペーパー湿らしたのを芋に巻き、更に新聞紙巻いてレンジで「強」1分半、その後「解凍」で10分か。複数のやりかたが引っかかったが細かい分数が違う程度でありとりあえずこれでやってみよう。で、実際やったらちゃんとおいしかったので大したもんだ。へーこんなんでイケるんだ、と感心してしまった。あと何だ、乗っけるアイスもちゃんとしたのがいいんだろうけど、今回は利便性まっしぐらでクーリッシュにした。いもそのまんま喰ってはちょっと絞り出し、喰っては絞り出し、というサイクルが便利。クーリッシュ旨いしね。うん。

新番組二つほど

●秋季新番組で「旗揚!けものみち」「慎重勇者」の連続を見る。慎重勇者の方はちょっと個人的にノリが合わなくて、でも豊崎さんは芸達者キャラとして十二分にやってんなあとそこは感心して、あと梅原さんはこういうデッドパン(に見せかけた)キャラがいい感じだなあ、と。そしてけものみちの方は異世界テンプレにケモフェチのレスラーを主人公に据える、というギミックも然りながら、その上でどういうギャグをやったら面白いかという戦術がかなり奏功しててちょっと感心した。突き抜けた極端さではなく、単純に上手い。こっちの方はこのノリで延々やってくれたらワタクシ的に楽しめそうなのでちょっと追っかけてみよう。でも多分、感想は書きにくいと思いますのでそんな感じ。

コップクラフト/キャロル

コップクラフト・最終話。VSゼラーダさん。強大な魔術使いを前に苦戦しつつ最後は相棒同士、お互いの武器を交換してヤッツケる、という燃える展開でシメ。ラストバトルらしくボロボロのケイ、ティラナともに見せ場も多く、またちょいと余韻を残しつつの終わり方も悪くない。

総評。バディもののお約束を本当にうまいこと取り入れて昇華させており、これは原作の技量というか趣味の良さのたまものなんだろうなと思う。演出もデザインもそれに乗っかってる形でよろしいんだけど、まあねえ、皆が皆思うことだろうこととして、もうちょっと…あとちょっと予算と作画的余裕があったらなあ、とね。なんつーか、板垣監督はホンマ、こういう状況下の仕事ばかりやってて苦労してんなあ、とは思う。

あとはまあ、ツダケン声を堪能する意味でとても上等な作品であったな、とも。割と何でもありなヤサグレ刑事という役どころのお陰で、型通りじゃない生き生きとした演技が楽しめてよろしございました。脇のキャスティングもちょい洋画っぽくていいよね。てことでうん、肩の力抜いて楽しめる連続ドラマ的な、そういうアレでした。いいんじゃないでしょうか。

●キャロル&チューズデイ・23話。火星世界がどんどんめんどくさくなってるのは確かにキャロルのお母んが原因ではあるだろうけど、言ってしまえばもともとそれを是とする空気感があったのかもしれない。この辺は現実世界を引き写したネタなんだろうな。そんな状況を業界レジェンドのコンサートでふっとばせ、ってのはお話のクライマックスとして妥当ではある。キャロチューには「奇跡」の担い手としてゼヒはじけってって欲しいところ。一方のアンジーは相変わらず弱り目に祟り目で、そんな中でラストがタオとの再会でシメ、ってのはマジこの子が主人公じゃよね。キャロチューみたいに寄っかかれる相方がいねえのはしんどいよなあ。…あとまあ、仲間内で密会という体でちゃんとアーティガンが居てんのがなんか面白い。もうすっかり気のいいあんちゃんだな。

ヴィンランド

ヴィンランド・サガ・11話。VSトルケルなお話。前半の軽薄にして深遠なるキリスト教のバカ話がなかなか楽しい。けれどラグナルの言うように、対するトルケルのヴァイキング的価値観はすでに古いものではあるんだろうな。ともあれ、状況を心底楽しんでるトルケルに対して、なんもかんも厭わしい…ってな中二病というにはちょいとどす黒すぎる雰囲気出してるトルフィンが重っ苦しいこと。この上辛気臭いクヌートも絡んでくるのでこりゃたまらんわな。クヌートさんのご尊顔拝見シーンは満を持しての「女かよ! 違うんかよ!」な感じでよろしかった。

●続いてヴィンランド・サガ・12話。クヌートを抱えてトルケルから逃げる一行であるが、じーわじーわ士気が下がってんのがなんかリアルにおもっ苦しいな。ビョルンじゃなくても「アシェラッド何考えてんのさ」とは思うところ。なので、思惑から外れて敵の奇襲を受けるラストのヒキんとこは、危機というよりは逆に沸き立つとこのような印象があったりする。ことに割と簡単な精神構造してる部下の人たちにとってはこっちの方が落ち着くくらいじゃなかろうか。…まあ部下の一部はキリスト的価値観に移行しつつある、そんな時代ではあるけれど。あとやっぱ「耳」のおっさん、エエキャラだよね。戦力としても作劇上でも便利だ。

キャロル

●キャロル&チューズデイ・22話。キャロチュー組はクリスタルとのコラボもコミで、真っ当にスター街道駆け上がる成り上がり話をやってんだけど、問題はアンジェラの方ですわな。なんかこう、ここまでのきつい試練を受けて状況整えられるとなんかこちらの方が主役っぽいほどのインパクトがある。光と影の影部分が彼女、ってワケでしょうけどもねえ。それにしてもキャロチューの二人はここまでの積み重ねで安定感があるというか、常に二人三脚のなかよしぶりが微笑ましいくらいではある。お母んの問題もアンジーの危機も、彼女たちの歌で救うってことになるのだろうか。さて。

オリオンの肩先 タンホイザーゲート

●こないだ思いがけず仕事でずっと外に居たらえらい日焼けして、そんでちょい免疫力が弱まったのか口唇ヘルペスと熱が出て参っている。発熱したので「こりゃ夏風邪でも引いたか」と思ったんだけど風邪症状はなく、ただ熱出てふらふら消耗するのみなのであった。口のハタに水疱が出来て面倒だし、あと胃腸の調子も全然プーなので全体的にデバフ状況であり堪らん。…ホンマはこの機会にちゃんと休み取って精進すべきなんだろうけどねえ。だけどねえ。トホホ。

●こないだ更地になってた元の俺んちをまたちょっと見に行ってみたが(今の家と商店街の間にあるのですぐ行ける)、本当に何にも無くなってるのであんまり面白みはない。まあいざ本当に無くなってみるとかつての我が家も思い出されては来るのだが、なんかそれ以上に横にあった大家さんの家の方を強く思い起こしてしまう。用事で何度かお邪魔したことがあったのだが、数十年単位でずっと暮らしてたんだろうなあって雰囲気が印象に残っててね。本棚にある書籍の時代性、棚の小物、鍵束、民芸品、柱のメモ、温度計、部屋の隅の掃除機、片付けの時期を逸したらしい壊れたラジオ。少しずつ少しずつ累積して、この風景が形成されてったんだろうなと思わせるたたずまいですよ。

「そんな思い出も、やがて消える。雨の中の――涙のように」

いやホンマ、なくなるときってのは一瞬である。そういうものなんだねえ、と砂利とカラーコーンの空き地見ながら思う。…今後これから、こういう思いすることは増えてくるんだろうな。参るねえ。

コップクラフト

コップクラフト・11話。市長選は候補者が銃撃により死ぬわ暴動により市民も死ぬわで大荒れとなる。残った候補者はプチトランプみたいなタカ派と胡散臭い殉職した候補者のヨメ、という状況。どっちもヤだというティラナさんに「民主主義ってのは良いものじゃなくてマシな方を選ぶですよ」と諭すケイさんがおかしくも物悲しくはある。ポリティカルでレイシャル、社会階層の上から下、おまけにFBIがワルモン…とまあ、毎度ながらお約束満載でとても楽しい。最後にゼラーダが出てきて絶体絶命というクリフハンガーもね。